小田急電鉄(株)の特急ロマンスカー「はこね号」が、あす3月26日のダイヤ改正から伊勢原駅に停車する。下りは朝2本、上りは午後2本ずつの停車で、国内外からの観光客をターゲットとしている。小田急電鉄と伊勢原市は今後、観光客誘致へ連携を図っていく。
ロマンスカーの停車が決まったのは昨年8月。30年以上前から要望を続けてきた伊勢原市にとって悲願だった。2013年2月に大山が神奈川県の「新たな観光の核づくり構想」地域に認定され、昨年6月にはフランスの旅行ガイドブック『ミシュラン・グリーンガイド・ジャポン』が「大山」を一つ星、「大山阿夫利神社からの眺望」を二つ星として紹介。観光地としての価値が高まったことが、大山の玄関口である伊勢原駅への停車を後押しした。
現在、大山・日向の年間観光客数は約110万人。伊勢原市は2019年までに113万人突破を目標として掲げており、今回の停車を追い風としたい考えだ。小田急電鉄CSR・広報部の三川真一さんは「初詣の際は、東京メトロと連携して臨時特急を運行させることもあった。ロマンスカー停車によって、今まで以上にお出かけいただけるのでは」と話している。
停車時刻は平日下りが午前7時50分・8時19分、上りは午後2時7分・4時59分。土休日は下りが午前7時48分・8時17分、上りが午後2時7分・5時。いずれも観光客をターゲットとしたダイヤとなっている。伊勢原駅北口―大山ケーブル間を運行するノンストップバスに接続されるなど、利便性も向上している。
初日に記念式典
停車初日となる3月26日の午前7時15分からは、小田急電鉄主催の記念式典が伊勢原駅で開催される。高山松太郎市長や同社の星野晃司専務取締役らが出席し、7時48分着の下り列車の停車に合わせテープカットも行われる。
観光客誘致のため、小田急電鉄と伊勢原市は連携企画を打ち出している。現在、「春の大山とうふ味めぐりキャンペーン」を大山にある12店舗で開催。大山豆腐を用いた創作料理やスイーツが、4月10日まで一品5百円で提供される。
商工観光振興課の大町徹さんは「夏や紅葉の季節の大山は観光地として定着してきたので、閑散期に呼び込めるものを考えていきたい」と話している。
また、3月19日には停車記念入場券が伊勢原駅で発売され、1千セットが即日完売。市民や鉄道ファンからの高い関心もうかがえる。伊勢原市観光協会の鍛治栄一事務局長は「まちの知名度が上がって利便性も高まる。ポテンシャルは高いので訪れる人が増えてくれたら」と話した。
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