伊勢原市はこのほど、善波児童館(善波738)近くにある防災備蓄庫の屋根上に雨量計を設置した。近年の局所的大雨の増加などを受けての防災対策で、土砂災害などの避難勧告発令に役立てていくという。
右肩上がりの年間降水量
伊勢原市の年間降水量の推移をみると、1994年から2014年にかけて、おおむね右肩上がりに増加。97年までは927㎜から約1300㎜を推移していたが、08年以降は1400㎜を上回っている。
市内で発令された大雨警報は昨年度が5回、13年度・14年度ともに6回。特に13年4月6日に発生した集中豪雨では、1時間に80・5㎜と猛烈な雨を観測。住宅被害118件、道路被害29件、農道被害15件と大きな損害となった。近年全国各地で記録的大雨を観測しており、今年も警戒が必要だという。
雨量計が新設された場所は、246号線沿いの土砂災害警戒区域内にあるため、避難勧告発令のための重要な判断材料となる。伊勢原市風水害ハザードマップによると、善波をはじめとした比々多地区には土砂災害警戒区域が13カ所存在。災害発生時に救援物資を運搬する主要道となる国道246号線の新善波トンネル付近も警戒区域に含まれており、迅速な避難勧告発令のためにも正確な雨量測定が求められていた。
雨量観測マップで確認を
これまで市は、伊勢原消防署本部(伊勢原3丁目)、大山(茶湯寺北側)、成瀬中学校(高森2丁目)の3カ所に雨量計を設置し、各地の雨量データを観測・公開してきた。これらに善波を加えた4カ所の雨量計のデータを市民に有効活用してもらおうと、現在、市ホームページの防災ページには「いせはら雨量観測マップ」が掲載されている。マップには4カ所の時間雨量と累計雨量、消防本部での風速・気圧を10分間隔で更新。スマートフォンなどでも閲覧できるようになっている。
市防災課担当者は「同じ市内でも地区によって降り方が違う。ハザードマップとあわせて確認して、いざという時に役立ててもらえたら」と話している。
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