伊勢原市は、AED(自動体外式除細動器)を市内公共施設27カ所の屋外に設置。8月1日から運用を開始した。スポーツ団体がグラウンドを使用する際や地域行事の際にも使用でき、休日や夜間など施設の閉鎖時にも迅速な処置が可能になった。
市消防本部によると、現在伊勢原市内には、公共施設をはじめ事業所や店舗など、162カ所にAEDが設置されている(市消防本部登録分)。しかし、これまで公共施設では学校の保健室や公民館の受付など、建物内に設置されていたため、休日や夜間など施設の閉鎖中の使用が難しかった。そこでこのほど、AEDの効率的で円滑な利用を促し、心停止の救命を促進することを目的に、一部の公共施設でAEDを屋外に設置した。
今回屋外に設置されたのは、市が管理する35施設のうち、夜間に警備員が常駐する市役所などを除いた27施設。内訳は市立小中学校14校(小学校10校・中学校4校)、市立公民館7館、行政センター体育館(旧青少年センター体育館)、市立武道館、すこやか園、伊勢原シティプラザ、市消防署南・西分署。収納ボックスに入れて設置し、真夏の直射日光や真冬の寒さにも耐えられる構造になっている。ボックスの扉を開けると警報が鳴り、周囲に緊急時であることを知らせるほか、盗難防止の役割も担っている。
AED本体は屋外でも見やすい高輝度カラー画面によるイラストメッセージが表示され、音声ガイドが聞き取りにくい環境や、聴覚障がい者にも操作がしやすい最新機種になっている。
市消防本部によると、AEDの屋外設置は、県内では茅ヶ崎市、相模原市、大和市、海老名市、二宮町ですでに実施。また市内でAEDが実際に使用された事例は、過去5年はないという。「休日に開催される地域のイベントなどでも、近隣住民が安心して施設を利用できるようになり、緊急時には迅速な救命につながる」と担当者は話す。
費用は1100万円
今回市では、屋外に設置する27施設を含めた35の公共施設でAEDの入れ替えを行った。これは5年間のリース契約更新に伴うもので、費用は約1100万円。35台のほか、貸出用2台、訓練用4台の計41台が導入された。
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