伊勢原市は6月1日、市景観条例に基づく景観まちづくりの一貫で、大山と子易地区を「大山まちなみ継承地区」と命名。景観重点地区に初めて指定した。これにより、届け出が必要な建築物の規模が変わるなど、大山・子易地区にふさわしいまちなみの誘導が可能になり、景観資源の保全や継承が図られるほか、経済効果や生活環境の向上に期待が寄せられる。
市は2013年12月に景観法に基づく「伊勢原市景観計画」を策定し、翌年4月に伊勢原市景観条例を施行。合わせてガイドラインを作成し、市域において良好な景観を形成していくための景観まちづくりを推進してきた。
条例で市は、市全域を景観計画区域に指定している。景観重点地区は、その中でも良好な景観の維持・保全・継承・創出を重点的に推進する必要がある地区で、市景観条例に基づき市が指定する制度。
今回指定された大山・子易地区は、日本遺産に認定されていて、緑豊かな自然と共に、「江戸情緒」や「大山詣りの風情」を感じることができる歴史・文化的な景観を有している。
こうした景観を次代に継承していくとともに、建築物の建築や工作物の建設などの適切な景観誘導を進めていくため、市は、同地区を景観重点地区に指定した。
地元の取り組みが形に
指定にあたっては、大山地区の住民らで組織されている大山観光振興会による「まちづくり検討委員会」や自治会などと市が2016年の秋から協議を開始。同振興会は「大山詣りの風情を守り育てる景観まちづくり」を目標に、地域住民にまちづくりのアンケートを実施するなど、独自に「大山まちなみ継承地区ガイドライン」を作成し、同地区の魅力を高める景観まちづくりに取り組んできた。
そのガイドラインが今回、市景観計画及び景観ガイドラインの別冊として新たにまとめられた。同ガイドラインには、宿坊など大山固有の景観資源の継承や保全、同地区固有のまちなみの調和のほか、建築物の形態や意匠、色彩などの調和に配慮する必要性などが明記されている。
同振興会の目黒仁会長は「大山地区の伝統と歴史を守っていくための一歩になった。今後どのように大山らしさを守っていくのか皆さんと話し合っていきたい」と期待を寄せていた。
指定により期待する効果
市都市政策課によると、景観が良くなりまちの魅力が高まることで「住みたいまち」としての価値があがり、定住や新たな店舗の出店などが進み、経済効果が期待できるという。同課の担当者は「市にとって象徴的な景観である大山を重点景観地区に指定した。指定を機に、市民の皆様にも各地域に目を向けて、地域の大切さを再認識してもらえる一歩になれば」と話した。
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