日向薬師宝城坊(内藤京介住職)が寺林のナラ枯れ対策や国の重文「木造獅子頭」の修繕に充てるための費用を確保するために実施したクラウドファンディングが3月末で終了。目標の250万円を大きく超える、855万5千円が集まった。
同寺によると、県の天然記念物に指定されている境内の木々が、ナラ枯れによって枯死するなどの問題が5年ほど前から起き、大木の伐採費用が毎年負担になっていた。対策には県から補助金が出ているが、3分の2のおよそ200万円が毎年寺の負担になっていた。
「木造獅子頭」は、法要や祭事の際に行列の先頭に立ち、舞の面として使われていたもので、干ばつの際には雨ごいの行事に使ったとも伝えられている国指定重要文化財。左右一対で残るのは貴重とされるが、経年劣化による損傷が進んでいたため早急な修繕が急務だった。しかし修繕には600万円ほどかかり、国が2分の1、残りを県、市、寺で負担しなければならなかったが、寺はコロナ禍で拝観料などの収入源が減少し、財政的に厳しい状態が続いていた。そこで文化庁のアドバイスなどもあり、クラウドファンディングで費用の一部を支援してもらうことを決めた。
目標の3倍超支援集まる
クラウドファンディングは2月15日から目標金額250万円でスタート。すると、2週間で目標金額に達成した。そこからさらに支援は広がり、260人を超える支援者から855万5000円の支援が集まった(4月3日現在)。
同寺によると、支援はクラウドファンディングによるネットでの支援と、直接寺に足を運んで支援金を届けた人の割合がほぼ同じだったという。支援金とともに「木造建築物の文化を引き継いでほしい」「後世に残してください」「日向薬師は伊勢原の誇りです」「この先も1000年続きますように」などとたくさんの応援メッセージも寄せられた。
同寺では「感謝の気持ちでいっぱい。応援メッセージも大きな励みになった。今後も日向薬師を守り抜くことへの責任感を感じている」と語った。
集まった支援金は「木造獅子頭」の修繕と、ナラ枯れ被害に遭った大木の伐採のほか、2023年度のナラ枯れ対策などの寺林の保護活動、さらに参道の石段の積み替えなどの参道整備事業の資金に充てられる。
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