台風10号の影響で、神奈川県内では県西部や湘南地域を中心に8月29日から31日にかけて激しい雨に見舞われ、伊勢原市内でも河川の増水、道路の冠水や土砂崩れが発生するなどの被害をもたらした。
伊勢原市と秦野市をつなぐ国道246号の新善波トンネル伊勢原側の出入り口付近で30日午前7時前に土砂崩れが発生。通行途中の車両2台が事故に巻き込まれたがけが人はいなかった。この影響で国道246号伊勢原市西河内交差点から秦野市名古木交差点の上下線が通行止めとなり、周辺道路で渋滞が発生。
中日本高速道路(株)は国道246号の代替路措置として、新東名高速道路と東名高速道路の無料通行措置を実施。対象区間は「厚木南IC-秦野丹沢SIC・新秦野IC」「伊勢原大山IC-秦野丹沢SIC・新秦野IC」「厚木IC-秦野中井IC・大井松田IC・秦野丹沢SIC・新秦野IC」「厚木南IC-秦野中井IC・大井松田IC」。同区間の利用のみ対象。同区間を超えて通行する車両は対象外(同区間を含め通常の通行料金が必要)。ETCレーン通過時、利用履歴が表示されるが、通行料の請求はない。全車種対象。実施期間は国道246号の通行止め解除まで。
小田急線は30日に小田原-伊勢原間、31日には東海大学前-秦野間の線路脇で一部盛土の流出が確認されたため、伊勢原-秦野間の運転を見合わせた。復旧作業は夜通し行われ、9月1日夕方に運転が再開された。
伊勢原市では台風の影響による大雨で土砂災害警戒情報が発表され、29日に避難所が開設された。30日にはごみ処理施設への搬入経路が確保できないことから、収集を中止。また、伊勢原市議会9月定例会でも豪雨による災害対応を優先させるため休会となった。
2日に行われた災害対策本部会議によると1日正午までの主な被害状況は人的被害1件、住家被害21件(床上浸水2件、床下浸水19件)、道路被害98件、土砂崩れ30件、農業被害1件、河川被害15件、下水道施設被害1件だった。公民館などへの避難者数は延べ51人。災害対策に動員された配備職員は2日までに延べ836人となった。
(9月2日起稿)
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