伊勢原市で生まれた「日向石硝子」が、持続可能な社会の実現に貢献する優れた製品やサービスを表彰する「ソーシャルプロダクツ・アワード2025」でソーシャルプロダクツ賞を受賞した。日向石硝子は、伊勢原市で日向石を現代に活かし、再び生活に取り入れてもらうために活動する民間団体「Sunny─on」が推進する取り組み。
日向石は、伊勢原市日向で採掘される凝灰岩。江戸時代から石材として広く用いられ、石工産業が栄えてきたが、安価な良質石材が他から入手できるようになったため、1970年代に採掘が終了した。「Sunny─on」は、かつて地域を支えた日向石産業の復活と地域活性化を目指し、小山建築設計事務所の一級建築士・荻野貴文さんと、上粕屋に本社・工場を置く成瀬石材店の代表取締役・成瀬善之さんがタッグを組み結成した。市内の石切場を訪れ、現代に合うようにコースターや箸置きなどの製品化に取り組んできた。そんな中、既存石材の再活用に着目し、これまで廃棄されていた石材加工の粉末をガラス原料にするアイデアを思いついた。厚木グラススタジオ(厚木市)の協力を得て、天然発色に輝く独自の製法を確立した。
大山に由来したグラスデザイン
初期段階で様々な製品を試作し、購入者の意見を取り入れてグラスを正式商品とした。日向石特有の発色と使いやすさの両立を目指し、原料配合を調整。グラスのデザインは、伊勢原市のシンボルである大山(雨降山)に由来し、雨粒をイメージした曲線と気泡にこだわった。飲み物の香りを楽しめる機能性と、手作業による唯一無二のデザイン、持ちやすさも考慮されている。
ソーシャルプロダクツ・アワードの審査では、「伝統を尊重しつつ現代に適応させる工夫がなされている点が評価できる。地域のつながりを重視し、共感者を増やしながらプロジェクトを実現している点も素晴らしい」と評価された。受賞に対し、荻野さんは「文化や環境を大切にしながら新たな価値を生み出す挑戦を評価してもらえた」と話し、成瀬さんは「少しでも多くの方が、伊勢原という歴史あるマチを知っていただくきっかけになれば」と喜びを語った。今後、商品展開と販路拡大を目指し、活動を続けていくという。
![]() 成瀬さん(左)と荻野さん(Sunny-on提供)
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