11月12日に大山の巡礼・観光に関する講演を行う 松本 亮三さん 東海大学観光学部長 59歳
教育の道に終わりなし
○…182cmの長身と大きな手。格闘技経験を尋ねると「いえいえ、運動は苦手」と穏やかな口調でこたえる。東海大学で普段は文化人類学を教えるかたわら、11月12日に図書館の依頼を快諾し、大山の巡礼と観光に関する教養講座を開く。愛着のある伊勢原での講演とあって思いもひとしお。「大山は山岳信仰の中心地の1つ。伊勢原に生きることの誇りをお伝えできれば」と話す。
○…島根県に4兄弟の末っ子として生まれた。泥だらけになって遊ぶ兄たちとは違い、活字に夢中の文学少年だった。「次郎物語が一番記憶に残っています。太宰治は中学生の時に全部読みましたね」。高校卒業後に上京。東京大学で人類学や文明学を学んだ。主に中南米地域を研究、発掘活動に汗を流したこともあったという。大学院を経て1981年、教育の道を志して東海大学へ。「今年で勤続30年。あっという間」と充実した表情を見せる。
○…昨年創立した観光学部の学部長として多忙な毎日を送る。2006年、全日空からの要請をきっかけに誕生した工学部航空操縦学専攻に続き、観光学部も自身が産学連携により立ち上げたもの。「昔はエリート養成が主だった大学も、今は違う。日本の産業を支える人の育成が役割」と話す。「今後は社会人向けの講座を模索したい。学校を卒業した大人が学び、その経験が仕事に活かされる意義は大きいと思うのです」。還暦を控えた今、仕事への熱意は増すばかりだ。
○…平日は伊勢原に住み、休日は家族の待つ千葉へ帰る。この生活を15年以上続けている。「単身赴任」と笑いながらも、思い切り仕事ができる環境を陰で支えてくれる妻への感謝を忘れたことはない。「時間ができたら趣味のカメラを手に、2人で旅行にでも行きたいですね」。額の汗をぬぐった手とは対照的に、小さな声で話した。
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