総合運動公園体育館2階の軽食レストラン「ともしびショップみかん」が、今年3月末で閉店する。市民に親しまれ知的障害者の社会参加の場としても役割を果たしてきた同店だが、ここ数年は人手不足に悩まされていた。
ともしびショップみかんは、障害者の就労の場として2002年にオープン。知的障害者の家族と支援者で組織される特定非営利活動法人「伊勢原市手をつなぐ育成会」(大杉あや子理事長)が運営する。店には常時2〜3人の知的障害者が勤務し、接客や皿洗いなどを担当。育成会の会員も交替で店に入り、障害者と協力して営業している。
これまで、体育館利用者たちの憩いの場として親しまれてきた同店だが、ここ数年は会員から健康問題や家族の介護問題を訴える声が多くなり、営業に必要な人数を確保することが困難になっていた。育成会の理事長を務める大杉あや子さんは「皆それぞれ事情があり、会員の中からお店を任せられる後継者が出てこないのが現状。パートの方を雇用する余裕もない」と閉店の理由を打ち明ける。
大杉さんによると、現在勤務する3人の障害者は今後、市内の作業所などに移り、就労を続ける予定だ。
困惑の声も
店内では日替わりランチや麺類、デザートなど豊富なメニューを取りそろえ、市内の障害者施設や地域作業所で作られた製品の展示販売なども行う。平日は約20人、多い時は100人以上が現在利用している。
週2回ほどレストランを利用しているという男性は「安くて量もあり美味しい。重宝している」と話す。閉店について男性は「困ってしまう。運動公園に来た時、ほかに昼食をとる所がない。残念」と困惑する。
オープンから今年で丸10年となる同店。大杉さんが「無我夢中で運営してきた」と振り返るように、開店当初は客足が安定せず、3年目からは市役所などへの弁当配達も開始した。そうした努力にくわえ、食材を無償提供してくれる農家などの協力も得ながらこれまで営業を続けてきた。大杉さんは「長い間本当にありがとうございました。最後のご来店を心よりお待ちしております」と話す。
同店ではこれまでの感謝を込めて3月中、コーヒー、紅茶を無料提供する。
■ともしびショップみかん
営業/午前11時〜午後3時・月曜定休
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