神奈川新聞社の第50回神奈川歌壇・俳壇・柳壇の年間賞受賞者がこのほど発表され、市内田中在住の前田明水さん(本名/前田明夫さん・77)が俳壇二席に選ばれた。2014年から毎週投稿を続けている前田さん。初の年間賞受賞に「これからも良い句が詠めるように努力をしていきたい」と話している。
年間賞の俳壇二席を受賞した前田さんの俳句は、「灘はるか心敬(しんけい)塚に光る風」。昨年3月17日に「特選」として神奈川新聞に掲載された。市内三ノ宮の心敬塚近くで詠んだ句で、「灘」は心敬塚から見える相模灘。相州の景色と先人への深い思いを俳句に込めた。
心敬は室町時代の連歌師で、大山山麓にあった浄業寺(市指定文化財史跡)で、晩年の4年間を過ごし、終焉を迎えたとされる。心敬がよく訪れていた三ノ宮地区の丘を「心敬塚」と呼び、前田さんが所属する伊勢原連句会や比々多観光振興会が中心となって記念碑を建立し、昨年3月16日には除幕式が行われた。
「記念碑のお披露目をした翌日に、特選として新聞に掲載されて縁を感じます」と話す前田さん。「心敬さんのことを詠んだ句が年間賞にも選ばれ、とてもうれしい」と感想を語った。
独学で句作腕試しに投稿
前田さんは司法書士。25年前に発足した伊勢原連句会で、連句の魅力にとりつかれてから、俳句にも興味を持ち、独学で句作を始めた。
バスや電車などの移動中や、病院の待ち時間、休んでいる時に浮かんだ言葉を、スマートフォンにメモをしておくように心がけているという。
「腕試しに」と始めた神奈川俳壇への投稿は、2014年から毎週行っている。これまでにも、特選や次点に複数回選出されてきた。
現在は、月1回日曜日の連句会が一番の楽しみ。「語彙力が豊かになり、自分の知らない分野のことも知ることができる。友だちが増えるのも魅力」と話す。
前田さんはこれからの目標について、「さらに実力をつけて、楽しく活動をしていきたい」と目を細めた。
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