任期満了に伴う伊勢原市長選挙は9月20日に投開票が行われ、現職の高山松太郎氏(70)が、新人で元市議の小林京子氏(68)を破り、3回目の当選を果たした。投票率は36・50%で、選挙戦となった8年前を6・43ポイント下回った
2016年の前回は、無投票だった市長選。現職の高山氏は今年5月に立候補の意向を表明。一時は2回連続で無投票という可能性もあったが、告示まで3週間を切った8月28日に元市議の小林氏が立候補の記者会見を開き、選挙戦に入った。
自民党と公明党が推薦した高山氏は、財政健全化に取り組んだ2期8年の実績をアピール。コロナ禍での選挙戦で、従来の出陣式や個人演説会などは行わなかったが、地元代議士や県議、支援市議団17人などが応援に入り、盤石な組織戦を展開した。
一方で、共産党が推薦した小林氏は、「新型コロナ対策などが遅すぎる。市民の要望に背を向けている」などと現市政を批判。福祉や教育の推進などの政策を訴え、ツイッターやフェイスブックなどSNSも活用したが、及ばなかった。
高山陣営
投開票日の20日夜、高山氏の選挙事務所(市内伊勢原)には、与野党の地元代議士や県議、市議、近隣首長、支援者らが駆け付け、開票速報を見守った。10時7分ごろ、岩崎榮連合後援会長によって当選確実が報告されると、事務所内は歓喜に包まれた。その後、佐藤文則選対本部長があいさつし、万歳三唱。
高山氏は支援者を前に「(コロナ禍で)来年、再来年は予算も本当に厳しい状況が続く。8年前を思い出し、経験を生かしてこれからのまちづくりを進めていきたい」と述べた。また、取材に「新東名・伊勢原大山インターチェンジ周辺の企業誘致や、伊勢原駅北口の再開発など、大きなプロジェクトを市民の皆様と話し合いながらしっかり進めていきたい」と話した。
小林陣営
市内高森の事務所で、支援者らと開票速報を見守った小林氏。10時22分の開票確定が分かると、支援者らを前にあいさつ。「たくさんの人と一緒に戦えたことが本当にうれしかった。応援してくれた人には申し訳なく思う。この4年間は公約に掲げた市政を変えていく市民運動をやっていきたい」と語った。
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