市内唯一の酒蔵である吉川醸造株式会社(合頭義理代表取締役)がこのほど、伊勢原産米の「阿夫利清流米・はるみ」を原料にした日本酒「雨降〜THE SEA CHANGE〜」を商品化した。3月1日に市内神戸の同社でお披露目会が開催された。
伊勢原市の新たな名産品や土産物の開発に取り組む「伊勢原うまいもの遺産創造委員会」(柏木貞俊会長)とJA湘南は、伊勢原産の米を活用した新商品を開発し、米の販路拡大につなげられないかと検討する中で、同社が以前、所属するシマダグループの社内企画でコシヒカリを使った日本酒を試験的に製造した経験があったことから、委員会からの依頼を受け商品化を進めた。
今回使用した伊勢原産の「阿夫利清流米・はるみ」約210kgは、飯に炊くための米。通常日本酒作りには酒米を使用する中で、飯米を使った酒造りは全国的にも珍しい取り組み。同社杜氏の水野雅則さん(44)によると、「飯米は酒米と違ってアミノ酸が多く、お酒にすると濁りが出て、雑味が際立ってしまう。そのため通常より低温の10℃で仕込み、雑味を無くし、米の旨味を引き出した」という。
ネーミングの由来について合頭代表取締役はは、「はるみの由来である『晴れた海』と、飯米を日本酒に使うという新たな発想を表現するため、『大転換』の意味を持つ『SEA CHANGE』と命名した」と話す。
同社によると、今回製造したのは500本で、150本を販売し、残りは熟成させるほか、市に寄贈する予定だという。JA湘南の續橋基生係長は「日本酒を通じて、伊勢原産米の魅力が広く伝われば、販路が拡大し生産者さんにも還元できる」と期待を寄せていた。
今後について水野さんは「今回の経験を活かし、今後も伊勢原産米を使った新たな日本酒の開発につなげていけたら」と話した。
雨降〜THE SEA CHANGE〜は、720ミリリットルで1本1750円(税込)。同社直売所や市内酒販店で販売中。
またこの日は同グループの島田成年代表取締役C.E.Oが、2021年11月に紺綬褒章を受章したことを受け、高山松太郎伊勢原市長が褒章の伝達を行った。島田氏は一昨年12月に、伊勢原市まちづくり市民ファンド寄附金として1000万円を市に寄付した功績により褒章が授与された。
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