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大山山麓地域活性化シンポジウム 座談会報告 日本一住みやすい伊勢原めざして
伊勢原市内で進む、さまざまな社会インフラ整備をどのように地域の活性化に結び付けていくか――。大山山麓地域活性化シンポジウム実行委員会(目黒仁実行委員長)では、特別企画として座談会を企画した。シンポジウムには高山松太郎伊勢原市長、国土交通省横浜国道事務所の鈴木祥弘所長、伊勢原経営研究会から飯田隆三氏(飯田測量設計(株)取締役会長)、濱田光子氏(濱田精麦(株)代表取締役)、平間武志氏((株)横浜銀行執行役員中部地域本部長)、目黒実行委員長がパネラーとして出席し、それぞれの立場から日本一住みやすいまち伊勢原へ向けて意見を述べた。
聞き手=(株)浜銀総合研究所副部長・上席主任研究員、加藤学氏 ※文中敬称略
進む社会インフラの整備
目黒実行委員長「新東名・伊勢原大山インターチェンジ(IC)の開通や、周辺の工業団地整備、伊勢原駅北口の再開発事業など、市内各所で進むインフラ整備を、これからの街の成長や発展にどのように生かしていくか。本シンポジウムでは、明るい地域社会の実現に向けて、皆様からご意見を頂く機会にしたいと思ってます。
また、紙面を通して市民の皆様にも知って頂き、これからの伊勢原のために役立てて頂ければ嬉しいです」
――伊勢原市内においては、中長期的には人口減少や高齢化の進展など課題が多くある一方で、高い交通利便性、豊かな自然環境や文化遺産、人の温かさなど良いところも数多くあります。まずは、現状の分析や課題、将来展望についてお聞かせください。
高山「令和2年国勢調査の結果で、本市は、5年前と比べて人口・世帯とも増加しました。県内でも多くの市町村で人口が減る中、相模川以西で人口が伸びた数少ない自治体となりました。
しかし、少子高齢化が進み、現在、約10万1000人の本市の人口も減少局面に移行しつつあります。国の推計では、10年後には10万人を割り、高齢化率も30%を超え、労働力人口も減少してまいります。
地域経済の縮小が懸念され、税収の減少や社会保障費の増大、空き家の増加など、さまざまな分野に影響を及ぼすことが予想されます。人口減少・少子高齢化への対応は、今後のまちづくりを考える上での大きな課題となっています。
市勢発展に向けた歩みを着実に進めていくため、伊勢原大山IC周辺の土地利用や伊勢原駅北口の再開発の支援などに積極的に取り組んでまいりたいと考えています」
鈴木「新東名高速道路については、伊勢原大山IC〜新秦野IC間が令和4年4月16日開通予定であり、広域的なネットワーク強化の観点から重要なインフラ整備と考えています。道路インフラが整備されることで、周辺への物流施設や企業の立地、観光客の増加などの効果が期待できます。
伊勢原市周辺で言うと、伊勢原大山IC周辺や厚木南IC周辺の工業団地等は道路の開通を見越して、工業団地を造成しています。こうした工業団地の造成により、自治体の税収面や雇用面においても効果が発揮され、道路の開通がもたらす波及効果と言えます。今後、新東名の新秦野〜新御殿場IC間の開通や、厚木秦野道路(国道246号バイパス)の開通により、交通利便性が向上し、伊勢原市のポテンシャルも更に上がっていくと思います」
新たな産業拠点創出へ
――伊勢原大山IC周辺地区では、約23・2ヘクタールの土地で市内第4の産業拠点形成に向けた土地区画整理事業が始まりました。昨年1月には地権者で組織する組合が設立され、2027年度までの計画で事業が進んでいます。
平間「伊勢原市は地理的にも神奈川県の真ん中にあり、もっともっと成熟していくポテンシャルを感じています。我々は銀行の強みであるお客様基盤や地方自治体、地元大学、他の金融機関などとのネットワークを生かしながら、地域の課題解決に取り組んでいます。
企業誘致の観点から伊勢原市と情報交換をしながら、当行の全地域のお取引先に今回の開発にかかる情報を提供してきました。結果として、抜群の交通アクセスに惹かれて多くのお客様が伊勢原大山IC周辺に関心を寄せています。市が掲げる新しい産業拠点の創出の実現に向けて、銀行としても、引き続き支援していきたいと思います」
鈴木「伊勢原大山ICの周辺地域で行われている土地区画整理事業は、企業立地として素晴らしい場所だと思います。ICの近くで高速道路の性格上、時間が読めるようになるので産業立地がしやすい。開通する道路をどのように活用していくか、引き続き、地元でアイデアを出し合うことが大事だと思います。道路管理者として、皆様の暮らしや経済をしっかりと支えていけるよう、安全安心な道路整備を推進していきます」
濱田「2020年3月に伊勢原大山IC〜伊勢原ジャンクション間が開通し、東京方面や、圏央道を使って埼玉方面に行くのに便利になりました。ただ、依然として国道246号が渋滞するので、新東名の全線開通や、国道246号バイパスの早期実現に期待をしたいですね。伊勢原は大山の麓の豊かな水や、平らな土地があり農作物が豊富。IC周辺に製造業を誘致し、地元の農作物を取り入れた原料仕入れを考えて頂く企業に来て頂けたらと思います。伊勢原の人たちが地元で働ける魅力ある企業がもっともっと進出してきて頂けたらと願います」
伊勢原駅北口を再開発
――伊勢原駅北口地区の市街地再開発事業の事業化に向けた検討組織、準備組合が昨年11月に発足しました。面積約1・5ヘクタールの商業地域で、土地利用の方向性(案)として、「観光交流の玄関口として低層施設整備」と、「暮らしを支える生活拠点として高層施設整備」を掲げています。伊勢原大山IC周辺の土地区画整理事業と並行して、2028年度の完成をめざしていて注目を集めています。
飯田「まちづくりや、よりよい生活環境の実現に向けて、移住や定住の観点からも、駅前の整備が重要だと考えています。伊勢原には調整区域や農振農用地が多く、限られた土地しか有効活用ができていないのが現状です。駅前はまさに街の顔。思い切ってスピードアップして事業を進め、よい街になることを期待したいと思います」
濱田「伊勢原で生まれ地元で生活していると、プライベートの時間を過ごすときに充実した環境が必要だと感じます。子どもを連れた若い家族が長い時間居られる場所、買い物もできて、ご飯も食べられて、体を動かして遊べる場所。北口再開発をやろうというタイミングなので、他にはないようなものができたら良いなと期待します」
平間「新東名の延伸で交通アクセスがますます向上し、また、伊勢原の玄関口ともいえる伊勢原駅北口が再開発されることで、伊勢原にはまだまだ伸びしろや成長性があると感じています。テレワークの定着などで伊勢原を含めて、近隣の住宅需要も高まっているので、地域金融機関としては、今後も引き続き地域の皆様とともに地域の活性化に貢献していきたいと思っています」
魅力を生かしたまちづくり
――伊勢原は都心から50Km圏にあり温暖な気候で、フルーツの里としても有名で果樹をはじめとする農作物が豊富です。また、医療機関が充実していたり、工業団地でのものづくりが盛んだったりと、多くの特長があります。これらの特色をどのようにまちづくりに生かしていくべきでしょうか。
濱田「お米や野菜、果物、牛乳、ジビエなど伊勢原には美味しい食材がいっぱいある。地元で収穫された農作物などをもっと地元で食べてもらえるように、地産地消をさらに推進していく環境が必要だと感じています。商業の分野では、若い方々が頑張って活躍していられるので、特色あるまちづくりに向けて大いに期待したいと思います」
飯田「伊勢原は大雪が降る訳でもなく、台風などの自然災害も少ない。文化財が豊富で、環境的にはとても恵まれた街だと思います。
さらに、伊勢原市には東海大学医学部付属病院や伊勢原協同病院、市内には開業医もたくさんあり、人口比の医者の割合は非常に高い。歯科医も含めたら日本一かもしれませんね。情報発信など上手な仕掛けができれば、他の地域からもっと人を呼び込むことも可能だと考えています」
平間「当行の伊勢原支店は、約80年にわたり地域の方々とのリレーションを築いてきました。伊勢原市の新たな名物や土産品の開発に取り組んでいる、伊勢原うまいもの遺産創造委員会では、オブザーバーとして伊勢原支店の支店長が参加しています。また、企業同士の情報交換、交流の場として、伊勢原経営研究会(通称・桔梗の会)を組織化し、事務局を担っています。企業が持続的に成長していくため、ビジネスマッチングや産学連携といった本業支援に加えて、事業承継などについても積極的に取り組んでいきます」
日本遺産のまち伊勢原
――伊勢原は「大山詣り」を代表する歴史や日本遺産の街として、観光にも力を入れています。整備の進む数々の社会インフラをどのようにつなげていくべきですか。
高山「伊勢原大山IC周辺は、産業系の土地区画整理事業を開始していますが、一帯を工業団地だけではなく、観光の核に使える仕立てにしたいと思っています。大山へ行くのに駐車場がないというご意見も聞きます。企業が休みの時に駐車場として使わせて頂くなど、いろいろな仕掛けができると思っています。先日、大山バイパスが全線開通したところですが、こうした県による取り組みも併せて、本市発展の追い風にしていきたいと思います」
目黒実行委員長「大山や日向、三ノ宮など、伝統文化を後世に継承し、自然環境を十分に守りながら、観光資源として有効に活用することが伊勢原の発展につながると信じています。観光協会会長としての立場としては、IC開通を生かし、秦野市や厚木市、平塚市ともうまく連携しながら、観光の拠点づくり、ルートづくりに取り組んでいきたいと思います」
鈴木「伊勢原大山ICの開通により、大山への車でのアクセスがしやすくなったという声を聞きます。コロナの感染が収まった時期にうまく人を呼び込めるよう、魅力的なコンテンツを揃える必要があります。
また、道路の開通により、移動時間が短縮できるので、その分、観光地への滞在時間が増える可能性があります。その増えた時間を活用してもらえるかが勝負。滞在時間が増えれば、地域への経済効果も期待できます。伊勢原市内だけで完結せず、秦野市や厚木市を含めた県西地域全体で、広域的に連携して取り組んでいくことが大事です」
飯田「私が理事長を務めるNPO法人では、周辺観光のゲートウェイとして、ICの近くに道の駅を作る計画を提案したこともあります。大山や日向への観光には、アクセス道路や駐車場の整備が重要になる。観光地として発展するように地域ぐるみで機運を醸成していくことが大切です。また、246バイパスの早期完成は伊勢原、秦野、厚木の各市にとって最大の要望事項ですね」
発展のため連携を強化
――今回の座談会で伊勢原市が持つポテンシャルがよく分かりました。最後に地域の魅力アップのために、大切なことは。
高山「市民の皆様はもちろん、地元企業の力を借りないと行政だけではとてもまちづくりはできないと思っています。平成28年に日本遺産に認定頂いた時も、市内に関連する企業の皆さんの力を貸してもらって、投資をしてもらえたからここまでくることができました。これからも一緒に発展をしていくために、伊勢原市に力を貸して頂けたらありがたいです」
目黒実行委員長「伊勢原大山IC周辺の産業拠点形成、伊勢原駅北口の再開発は、伊勢原市にとって最大のチャンスであると我々も期待しています。行政ともしっかり連携を取りながら、次世代へ向けて今できることは何かを考えながら、努力をしていきたいと思います」
大山山麓地域活性化シンポジウムとは
新東名高速道路「伊勢原大山インターチェンジ」の開通や、インター周辺における区画整理事業の施行開始、さらには伊勢原駅北口市街地再開発に向けた準備組合設立など、伊勢原市を中心とした大山山麓地域では、数々の社会インフラ整備が進められています。
本シンポジウムでは、このような地域ですすむ数々の社会インフラ整備を「どのように地域活力の活性化に結び付けていくか」をテーマに、各界でご活躍の皆さまにより、それぞれのお立場からご討論、ご提言を頂きます。
本来であれば公開で開催し、皆さまとともに意見交換をしながら実施すべきところですが、コロナ禍の折、関係者のみで集まり、その結果を紙上にてご報告させていただく形といたしました。
なお本シンポジウムは、一般社団法人関東地域づくり協会のご支援を頂き開催いたしております。
大山山麓地域活性化シンポジウム実行委員会
事務局:横浜銀行伊勢原支店
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いせはら こどもタウンニュース11月15日 |
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