伊勢原市民文化会館で10月17日、史上初となる八冠独占を達成した将棋の藤井聡太八冠(竜王、名人、王位、叡王、王座、棋王、王将、棋聖)の師匠・杉本昌隆八段が「師匠が語る、藤井聡太という才能」をテーマに講演。人材育成などのヒントについて語った。
同講演会は伊勢原市商工会、(公社)平塚法人会伊勢原第1支部、第2支部、第3支部、第4支部、伊勢原市商店会連合会、(一社)平塚青色申告会伊勢原支部の商工四団体が主催し、開催された。連日の報道で藤井フィーバーが続く中、師匠である杉本氏の話を聞こうと260人が会場に詰め掛けた。
杉本氏は1990年プロデビュー、19年に8段に昇段、トーナメントプロとして活躍するとともに、杉本昌隆将棋研修室を主宰し、後進の指導に力を注いでいる。
講演では「棋界の人材育成から学ぶ」と題して、将棋のルーツをはじめ、囲碁やチェスとの比較、プロ棋士になるまでのプロセスなどを解説。2016年に14歳2カ月と史上最年少でプロデビューを果たした藤井八冠とのこれまでの関わりについて様々なエピソードを交えて語った。デビュー戦となった第30期竜王戦ランキング戦ではひふみんこと加藤一二三氏と年齢差62歳6カ月対決を制し、その後は無敗で公式戦29連勝を飾るなど当時大きなニュースになったことなどを紹介。
杉本氏は藤井八冠の強みについて「当たり前に疑問を持つ、苦手を作らず、得意を作らず、相手のミスなどの運に頼らないこと」と話し、弟子を指導する上では「教え過ぎず、自ら気付けるように心がけている」と述べた。杉本氏の軽妙な話術に来場者は真剣に耳を傾け、終了時刻を過ぎても質疑に応じるなど、終始和やかな雰囲気で進められた。来場者からは「非常に興味深く、面白かった」「あっという間に時間が過ぎた」などの感想が聞かれた。
講演後には秋山建具店を営み、黄綬褒章を受章した伊勢原市商工会理事、青色振興会伊勢原支部の秋山光雄支部長から伊勢原のふるさと納税返礼品にもなっているランプシェードが贈られた。
上行寺を墓参
講演前に杉本氏は、伊勢原市将棋愛好会の林良茂会長、日本将棋連盟神奈川県支部連合会副会長で平塚支部長の諏訪日出夫氏や関係者らと上粕屋にある上行寺(岩田憲雄住職)を墓参。同寺には棋界の初代名人である大橋宗桂を出した大橋家代々の墓があり、これまでに大山康晴名人や森内俊之名人、斎田晴子女流5段、中田宏樹8段らが訪れた。杉本氏は将棋の駒をかたどった墓に手を合わせていた。
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