市内下谷の大田地区土地改良区内ほ場で6月6日、米の種もみを背負い式の散布機で直播する実証実験が行われた。稲作の作業効率化などを目的にした取り組みで、県下23の土地改良区で初の試み。
水田直播研修会と称して行われた同取り組み。この日は同改良区の会員や市内外の農業従事者、湘南地域県政総合センターの職員ら30人ほどが参加。県内で生産されている品種「はるみ」の種もみに農薬などをコーティング処理済みした種を散播した。同改良区の担当者によれば、稲づくりの作業など時間短縮になり、田植えの工程を減らすことができ、省人化や農業従事者の高齢化、担い手不足の対策につながるという。また同様の方法は「全国的に広がりを見せている」と話している。
今回の実証実験は10アールの水田2カ所。代掻きを行った後に水を抜き、少し水が残った田んぼ1カ所あたり約2・5kgのコーティングした種もみを直播した。同改良区では1週間ごとに稲の生育の様子などを観察し、記録に残していく。「まだ誰も直播の稲を見たことがないので、秋に良い結果がでればうれしい。一定の効果が認められれば作業の効率化が進み、高齢化対策改善の一助になるはず」と期待を寄せている。
同改良区では、農業従事者の高齢化や担い手不足の対策として、農業用ドローンを導入。農薬散布などですでに活用されていることから、今後はドローンによる種の散播も視野に入れ検証を行っていく。
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