大山先導師会旅館組合の組合長を務める 内海 博文さん 大山在住 68歳
歴史守りつつ変化恐れず
○…大山信仰を各地に広め、多くの参詣者を呼び入れてきた先導師。当初は御師としての呼び名だったが、その後は神職に対して用いられるようになり、現在は先導師旅館が29軒、先導師が12軒加入する。日本遺産認定を生かし、学生の教育旅行の誘致やジビエフェア、宿泊パックなど観光客を増やすために様々なイベントを実施。「これだけ多くの先導師が集まっているのは日本中どこにもないと言われている。41軒を減らさないよう、変える必要があるものは受け入れていく」。
○…江戸時代から続くかすみ荘の16代目代表。大学で神職の資格を取得し、卒業後に湯島天満宮で15年、神主としての修行を終えたのち、民間企業に就職。56歳で退職し家業を継いだ。大山の歴史や文化を少しでも知ってもらおうと、夕食時に宿泊客に大山の話をする。「今は1日1組のみ。その分お客様にいろいろな大山の話をしている。反応が良いと40分位話してしまう」と笑う。
○…子どもの頃は講が多くやって来ていて、街道沿いの店も賑わい、大山全体が潤っていたことが思い出深い。「先導師旅館が布団を敷く間に宿泊客が参道沿いの店に出かけ、かき氷やカラオケ、お酒を楽しむ光景があちこちで見られた。あの頃の大山に何とか戻したい」と懐かしむ。
○…大学の同窓会を兼ね、日本全国に旅行するのが楽しみで、神職仲間との意見交換が刺激になっているという。娘婿と孫で18代目まで先導師旅館が続く期待を嬉しそうに話す。「インバウンドも増え、これからはいろいろな人を受け入れる必要がある。組合としても大山の歴史を守りつつ、新しい風を取り入れ、市や観光協会などと連携して組合全体で大山の賑わいを取り戻す」と意気込む。
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