市内に障害者の就労継続支援施設「エスポワール・パーネ(寺尾南2の4の7/榎本則幸施設長)」が、先月23日に開所した。買ったパンを店内で食べられるコミュニティースペースを備えたつくりで、障害を持つ人たちの就労の場にすると共に、地域福祉の情報発信の場としての役割も担っていく。
エスポワール・パーネを運営するのは、大和市の社会福祉法人県央福祉会。同法人は市の障害者自立支援センター希望の家と、ばらの里も指定管理者として管理運営を行っている。
今回開所した施設は、希望の家で作っているパンの販売先として県央福祉会が独自に整備した。ともしびショップむーへの納品や地域の催しなどでの不定期販売、1年半ほど前から始めた施設前販売などを行っていたが、地域の高齢者などから「近くで買えるパン屋さんが欲しい」という声が上がったのがきっかけだった。
また、利用者(就労する障害者)から「人と接する仕事をしたい」「パンを売ってみたい」という要望があったのも、施設整備に踏み切るを後押しした。「接客をすることが利用者の自信に繋がるだけでなく、地域と接点ができることで障害を持つ人への理解も深まる。利点は多くあると思う」と榎本施設長は話している。
店内では希望の家で作ったパンの他、施設内で焼いたパンの販売も行う。就労の際、利用者は実習という形で体験してから契約を結ぶ形をとる。今月すでに3人の実習が行われており、定員の10人を満たすまで募集を続けるという。
福祉相談にも対応
店内に設置されたコミュニティースペースでは買ったパンを食べながら、職員や利用者と雑談をすることができる。会話の中で「こんなパンが欲しい」などの要望を聞き取り、柔軟に対応していく方針だという。
「私も含め、ここで働いているのは福祉法人の職員なので、雑談だけでなく障害のあるお子さんを持つ方や高齢者など、福祉に関する相談ごとにも応じることができます」と話すのは、現場を担当する支援員の奥田芳美さん。気軽に足を運べる「地域福祉の拠点」として、今後の役割に期待が寄せられている。
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