任期満了に伴い4月12日に投開票された神奈川県議会議員選挙・綾瀬選挙区(定数1)で、前綾瀬市議会議員で新人の綱嶋洋一氏(47・無所属)が1万4719票を獲得し、初当選した。前県議である笠間茂治氏の長男で、後任として出馬した新人の笠間功治氏(41・自民)は、1万1638票で及ばなかった。投票率は前回の41・61%を下回る40・86%だった。
県議を5期20年務めた笠間茂治氏の引退を受け、24年ぶりに新人同士の戦いになった県議会議員選挙・綾瀬選挙区は保守系同士、同年代の一騎打ちとなった。
綱嶋洋一氏
市議3期を辞して挑んだ綱嶋氏の選挙事務所には午後9時頃から支持者が集まりだし、テレビを見ながら選挙の動向を見守った。
得票同数の第一報が入ったのは、午後10時過ぎ。その後も同数が続く接戦になり、10時40分過ぎに過半数の1万3467票超えの知らせが入った。抱き合い涙を流しながら勝利に湧く支持者の前に本人が姿を見せ、万歳が行われた。
翌日、選挙報告会に詰めかけた支持者の前で、「笠間市長の言葉に感化され出馬を決意したものの、公認と非公認、出遅れのハンデを埋めるのは容易ではありませんでした。その中、皆さんの支援は何よりの励みであり、活力になりました。当選の喜びは胸にしまい、これからは市長とスクラムを組み、綾瀬の未来と発展のために身を引き締め働いていきたい」と、抱負を語った。
綱嶋氏は選挙期間中、12年の市議会議員としての経験と、市の行政や近隣市とのパイプの強さを有権者に訴え続た。4月3日に行われた出陣式には公明党の市議4人が出席したほか、投票日直前には笠間城治郎市長や内野優海老名市長も応援演説に駆けつけた。
笠間功治氏
自民の公認立候補として立候補した功治氏は父の地盤を引き継ぐと共に、自らが携わってきた市商工会青年部や綾瀬青年会議所など、若手グループを中心に支持層を広げてきた。応援演説に甘利明経済再生担当大臣や、菅義偉内閣官房長官も訪れている。
落選が決まり事務所に姿を見せた功治氏は、「自分の力不足で申し訳ない」と支持者に頭を下げた。後日の取材に対し、「選挙は自分1人ではできない。今後については家族のこと、仲間のこと、自分のことをもう一度よく考え、どうするか決めたい」と話した。