市園芸協会レタス部会(山田英毅部長)が11月4日・5日の2日間、JAさがみ綾瀬営農経済センター職員や市場社員、市職員らとともに北海道札幌市のスーパーで初めて販促活動を行った。「(株)東光ストアー豊平店」や「(株)ワタリ札幌営業所」など、新たに開拓した販路で綾瀬産レタスの良さを生産者自らが伝え、今後の継続販売につなげるのが狙いだ。
北海道での販売は、取引のある市場の担当から話があった。気候の関係でレタスの生産終了が本州より早い北海道では、栽培が終わると茨城県や群馬県、千葉県など大型産地から仕入れている。
規模が大きいと量は安定するが、集荷と出荷に時間がかかるため採れたての仕入れが難しいというデメリットもある。そこで「朝採り・朝出荷」にこだわる綾瀬産レタスに声がかかり、昨年初めて北海道で販売。今年も継続になり、バイヤーからは「うちがある限りは優先的に仕入れたい」という評価を得たという。
小規模の武器活かし
10軒の農家で構成されるレタス部会は春と秋に収穫を行っており、県内大手百貨店などとの取引実績を持つ。小規模生産ゆえの「小回りの良さ」と首都圏への近さという地の利を最大限活かし、品質で大規模産地と渡り合うため午前4時頃から採り始め、8時には出荷するというやり方を貫いてきた。
「首都圏向けにこだわったやり方が、まさか一番遠い地で評価されると思わなかった」と、山田部長は驚きの声を上げる。「食の宝庫である北海道で評価されたのは嬉しい。今後につながる大きな結果だし、自分たちのモチベーションにもなる」と続ける。
農家同士の連携密に
他にも同部会では、農家同士の連携にも力を入れている。種まき・植え付けの時期を揃え全ての農家で同じ品質の物を生産するための「共同播種」はその一つ。仕事後に話し合うなど情報共有の時間を設けたり、体調不良の時などはお互い助け合うなど様々な工夫をしている。
また、バイヤーとの顔の見える関係づくりにも注力。「いくら品質にこだわっても、単純に相場に左右されれば大規模産地には敵わない。信頼関係があれば、厳しい時にはお互い助け合あおうという交渉もできる」と山田部長。消費者の反応や感想を見るため、月に1〜2回は朝の畑仕事後に店頭に立ち、積極的に販促活動を行っている。
課題は「地産地消」
販路が拡大している反面、課題もある。生産量が少ないため出荷分だけで手いっぱいになってしまい、地元で販売する分が確保できないという点だ。市民からの要望の声はあるが、それに応えきれていないのが実情。いかに地域に還元し、「地産地消」に繋げるかが重要になってくる。
山田部長は「まだまだ課題はあるが、まずは『綾瀬産レタス』を定着させる必要がある。今後もJAや行政など関係各所と連携を密に、より品質の高い商品づくりに励みたい」と意気込みを語った。
![]() 北海道入り前、市長に報告する山田部長
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