市と独立行政法人中小企業基盤整備機構関東本部中小企業大学校東京校(今野高校長/以下、中小企業大学校)が10月13日、「中小企業振興業務連携・協力に関する協定」を締結した。同校が自治体と協定を結ぶのは、全国で初。市では中小企業大学校の専門性を活かし、中小企業支援を加速させていく考えだ。
これは、市が進めている「made in ayase・あやせ工場プロジェクト」の取り組みの一環。相互に協力関係を築き、地域経済の活性化と中小企業支援の促進を図ることを目的にしている。
当日は今野校長が古塩政由市長のもとを訪れ、協定書が交わされた。古塩市長は「市内にはものづくり技術の継承や経営課題を抱えつつも、下請けからの脱却など積極的な事業展開を図りたいという意欲を持った企業が多くある。中小企業大学校の専門性を活かした企業支援に期待したい」と話した。
双方にメリット
同協定は、中小企業大学校から打診を受けたという。幹部候補生や後継者の育成、中小企業診断士の養成などを行っている同校にも、県内有数の企業集積数を誇る綾瀬市内の中小企業を実習の場として活用できるというメリットがある。
内容の柱は「経営改善に向けたアクションプランを提案する経営診断実習の実施」と「経営後継者や経営幹部の人材育成」の2つ。前者は中小企業診断士養成課程において行われる実習の場に市内企業を提供することで、当該企業は実践的な経営診断を受け、課題やその処方箋などを洗い出すことができる。
後者は経営後継者や中小企業者向けの研修の受講、各種セミナー、相談会等の情報提供やイベントの共催など。同校が長年培ってきたノウハウを活かし、市内の人材を育てていく。
「今は市内の事業継承は上手く回っているが、いずれは経営者の高齢化が課題になってくるはず。市内工業の活性化だけでなく、こうした課題への事前の対策にもつながるのでは」と、市工業振興企業誘致課は協定に期待を寄せている。
「あやせ工場プロジェクト」は、市が取り組む工業振興施策の総称。市全体を大きな1つの「あやせ工業」に見立て、ものづくり技術を活かした販路拡大、新分野への進出、新商品開発などで総合的に受注を拡大することで、メイド・イン・綾瀬製品を世に送り出すことを目指している。
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