綾北中学校が2月13日、群馬県前橋育英高校野球部の監督を務める荒井直樹監督を講師に招き、社会福祉講演会を行った。綾瀬に5年間住み、綾北中卒業生でもある同氏は座右の銘である「凡事徹底」とその意味を、監督としての体験談を交え後輩たちに話した。
荒井直樹監督は2013年、甲子園初出場で前橋育英高校を3957校の頂点に導いた。スター選手なし、高校から野球を始めた部員も少なくない中、怒らない監督として「勝つ気がない。甘い」と周囲から批判を浴びながらも、「凡事徹底」という己の信念を貫いた監督として知られている。
講演のきっかけは、2学期の始業式。戸田隆校長が監督の話を出し、「あいさつをする、ゴミを捨てない、ルールを守るなど当たり前のことを徹底し継続して欲しい」と、生徒たちに投げかけた。これを受け1年生のスローガンを「凡事徹底」に設定。一人ひとりが決めた「凡事」に一生懸命取り組む生徒のため、荒井監督の話を直に聞く機会を設けようという流れになった。
1学年代表の松崎誠教諭が監督に電話で依頼するも、一度は断られた。諦めきれなかった松崎教諭は校長に文書を作成してもらい、前橋育英高校を訪問。この日は監督に会えなかったが熱意が伝わり、後日、快諾の電話がきたという。
「努力する才能」説く凡事徹底し習慣に昇華を
当日は学活の時間を使い、1年生全員が体育館に集合した。登壇した荒井監督は「野球部の人」と問いかけ、その中の一人である小松原雄大さんを檀上に呼び寄せた。
「強くなるにはどうしたらいいですか」という小松原さんの問いに対し、「特効薬はない」と答える荒井監督。基本の練習に重点を置いているという小松原さんに、「それでいい。基本の積み重ねが大切」とアドバイスを送った。
誰にでもできることを誰にもできないレベルに
その後、講話では荒井監督が受けたテレビ取材の映像を交えながら、前橋育英高校野球部が行っている取り組みについて学んだ。
野球において一生懸命なプレーに対し怒るのではなく、ミスをどう改善し次につなげるかに重点を置いているという荒井監督。「技術よりもグラウンド整備や服装、授業態度など、それ以外の部分でうるさく言う。実践するためには自分で考える力が必要で、これが仲間や相手チームへの『気付き』に繋がる。自分はこういう力を持ったチームと戦う時が、一番怖い」と生徒たちに語った。
これを踏まえた上で、「やれと言われてやるのと、自らやるのは意識の面で大きな差がある。大切なのは歯磨きのように、やらないと気持ち悪いくらいまで当たり前の事として習慣づけること。誰でもできることを誰もできないレベルまで継続し努力する力は、立派な才能。挑戦する勇気を持ち、今あることに全力で取り組んでください」と話した。
講演後、生徒たち一人ひとりが書いた「凡事」を貼り合わせ大きな「凡事徹底」の文字を制作。監督がサインし、廊下に掲示している。また、生徒たちの講演の感想を荒井監督のもとに届ける予定だという。
![]() 緊張気味に答える小松原さん(左)
|
綾瀬版のトップニュース最新6件
|
|
|
|
|
|