2018年3月の開通を目指し整備が進められている「(仮称)綾瀬スマートインターチェンジ(IC)」の完成が遅れる可能性があることが、現在開会中の6月定例会の中で明らかになった。開通時期に関して古塩政由市長は「いつになるかは決められない」とした。
(仮称)綾瀬スマートICは、綾瀬市・県・中日本高速道路の3者が共同で進めている事業。ETC搭載車専用のフルインターチェンジで、綾瀬バス停付近から県道42号に接続される。
市は2015年から、用地取得や移転の交渉を地権者と行ってきた。市インター推進室によると、現段階で約8割の用地取得契約が終了しているという。
一方で残り2割に関しては、移転先が見つからず合意に至っていない。本会議の中で市土木部長は「移転契約に関し、未契約のもので用地6件、保証で15件残っている」と答弁。現在操業中の企業もあり、この面積は2社で3千平方メートルになる。
「企業の移転に関しては、会社の将来や社員の生活にかかる部分があり、物件等を互いに探しながら交渉を進めている状況。これから工事を進めていく中で、工事可能な箇所から順次進めていき、できるだけ工程に遅れが生じないよう調整をしていきたい」と、議会の中で土木部長は答弁している。
活用施策、周辺整備は進行
商工会長「早い完成期待したい」
(仮称)綾瀬スマートICは、市民生活の利便性向上や地域経済の活性化、災害時の安全・安心の確保などを目的に進められている事業。慢性的に渋滞が起こる綾瀬バス停付近にICを設置することで、渋滞緩和を図る狙いもある。
綾瀬インターチェンジ建設推進協議会会長を務める笠間茂治商工会長によると、IC設置の機運が高まり始めたのは1995年頃だという。その後、市民主体や市役所内のほか、その広域的利便性などから近隣市町や、商工会議所・商工会なども加わり検討委員会や協議会が立ち上がり、模索が続けられていった。
この中で従来の開発型ではなく地域活性型のIC設置に関する制度ができたことを受け、同制度を利用した本線の上下線に接続できるフルICの構想が固まった。2013年には国土交通大臣から連結許可を受けている。綾瀬へのIC設置により、広域アクセス性の向上や既存IC周辺の交通負荷の軽減、企業活動活性化、大規模災害時の防災力向上などが期待されている。
開通に向けて、市ではロケの誘致や工業振興施策に加え、道の駅のような独自の地域振興施設、バスを集約する「パークアンドバスライド」の設置など活用策を検討。また、市商工会が供用開始後のまちづくりを市民と語るワークショップを開くなど、民間による活用方法模索の動きもある。
周辺道路の整備は一部で始まっており、本線の拡幅工事にかかる「下原橋」は3月11日にすでに撤去されている。今回の件を受け笠間会長は、「できるところから着手することでできるだけ工期を短縮し、早い完成を期待したい」と話している。
綾瀬版のトップニュース最新6件
|
|
|
|
|
|