経済産業省がこのほど、地域の中核企業として「地域未来牽引企業」を全国から2148社選定した。神奈川からも34社が選ばれ、綾瀬市内の(株)ミズキ(水木太一社長/小園717の14)と、(株)KYOEI(高崎将二社長/吉岡東4の2の11)の2社が名を連ねている。
地域未来牽引企業は、昨年6月に公布された「地域未来投資促進法」に係る事業。地域経済への影響力が大きく、成長が見込まれるとともに地域の特性を活かして高い付加価値を創出し、経済活動を牽引する中心的企業が選ばれる。
選定内容は地域内外の取引実態や雇用、売上高、地域経済への影響力、成長性等、地域の経済活動を牽引する事業の中心的な企業となりえるかなど。取引データ等から選ぶ「地域経済の大黒柱部門」と、新たな地域の牽引役として期待される魅力ある事業内容等から市町村が推薦する「未来挑戦部門」があり、ミズキとKYOEIは後者に選定された。これを受け、古塩政由市長が2社を訪問した。
(株)ミズキ
精密ネジ・シャフトなどを製造する(株)ミズキは、1939(昭和14)年に創業した。0・6㎜〜12㎜くらいまでの規格外の特殊ネジを得意とし、主にカメラやコンピュータのハードディスク、車などの部品として国内外に出荷している。
同社の特徴は技術力もさることながら、「不良品ゼロ」を掲げた高い品質管理体制。早くから最高精度の測定機器を導入し、目視では見つけられない不良を機械レベルで選別してきた。これにより取引先から高い評価判定を受けている。
この設備を活かし、同社では近隣の20社と協力体制を構築した。高額な測定器を購入できない小規模企業の品質をミズキで保証しつつ、他社との連携で自社の仕事の幅も拡充。顧客ニーズをつかみ満足度向上につなげる「三方良し」のシステムの窓口を担う。
「まずはミズキに任せれば安心というファンを増やし、知ってもらうこと。世界に通用する企業になって、市の発展に少しでも寄与できれば」と水木社長は今後の展望を話した。
(株)KYOEI
KYOEIは、1962(昭和37)年の設立。自動車のドアなどの部品が規格通りに作られているかを調べる「検査治具」というツールを製造している。
同社の大きな特徴は、高崎社長が考案した「検具ドットnet」という企業間ネットワーク。7年前にKYOEI1社から始まり社長自らが思いをぶつけ開拓した企業は、国内13社と国外7社にまで広がった。
構築のきっかけは、日産工場の九州集約などに伴う遠方からの顧客の相談。現地での対応を可能にするためのアイデアだった。また、これを海外に広げることで外に生産拠点を持つ企業の困りごとに対応することも可能になったという。
「全てがライバルである必要はない」と語る高崎社長。「技術力は当たり前の話で、互いの得意を活かすことで仕事の幅が広がれば、次につながるサービスを提供できる」と続ける。
同社では現在、インドからの研修受け入れや社内での英会話教室開催など、次のステージを見据えた取り組みに進んでいる。
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