道祖神に「竹葺き屋根」 寺尾西の住民有志が制作
県道42号を南下し、東名高速道路に架かる「小園橋際」の信号1つ手前のT字路を左に下った場所(寺西1丁目・綾瀬幼稚園付近)に、立派な屋根に守られた道祖神がある。これは「地域で親しまれていた文化の名残を少しでも残そう」と、地域住民有志の手によって制作された。
制作に携わったメンバーの笠間城治郎さんによると、この道祖神は綾瀬で2番目に古いものと伝わっているという。かつては近隣の家5〜6件で管理し、どんど焼きが行われていた。
同氏の子どもの頃の記憶によると、当時は集めた正月飾りや書初めに材料を足し、家のようなものに仕立て焼いたという。由来は不明だが、「神様の家が燃えたから」と写真右端の石碑以外の石を各人が自宅に持ち帰り、一晩泊めて返すという風習もあったそうだ。
しかし、規制のため道路で物を焼けなくなり、どんど焼き会場が別の場所に移転。時代の流れとともに風習も薄れ、かつて人が集う場所の1つであった道祖神は、「ただそこにあるだけ」の存在になっていった。
メンバーであり、市の文化財研究をしている小川久夫さんの「このままでは風化してしまう」という意見から、有志10人ほどで整備を行った。もの作りが得意なメンバーのアイデアから全員で竹葺き屋根を作り、きれいに掃除して道祖神の存在をわかりやすくした。
「目につくようにすれば、いつか興味を持ち調べる人が現れるかもしれない。学ぶことのきっかけになったら」と笠間さんは話した。
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