市内在住のジャーナリストである浅田勁さん(74)が、現在の綾瀬市を中心にした「渋谷庄(しぶやのしょう)」を本拠地としていた武将・渋谷重国とその一族に焦点を当てた「綾瀬・相模のもののふ 渋谷一族の興亡―平家から源氏へ」を一冊の本にまとめた。同氏が所属する「渋谷一族を語る会」(志澤勝代表=関連記事あり)の協力を経て発行したもので、市制施行40周年を迎える11月1日に合わせ発行した。
元神奈川新聞の記者である浅田さんは、現役時代や定年退職後にも歴史に関する6冊の書籍を発行している。今作は、神奈川新聞相模・県央版で今年4〜7月にかけ全12回にわたり連載した「平家から源氏へ〜渋谷一族の興亡」に、大幅加筆したものとなっている。
旧綾瀬村の農家の三男として綾瀬で生まれ育ち、記者として活動する中で郷土の歴史への見識を深めていった浅田さん。今回協力を得た「渋谷一族を語る会」は小・中の同級生の集まりで、年に数回、綾瀬の歴史や風土について語り合っている。
かつての自分のように、市民の渋谷一族に対する関心は薄いどころか、知らない人も多いと感じていた同氏。「まちづくりにおいて地域の歴史や風土を知ることが重要」との考えから、「綾瀬にこれだけの一族がいたことを知って欲しい」という思いで書いたという。
著書には平家方として源頼朝を攻撃する側だった渋谷重国が頼朝側の有力御家人になった経緯や、源平合戦・奥羽合戦での活躍、鎌倉幕府樹立への貢献、頼朝死後の一族の変遷など、複雑な命運をたどった渋谷一族について詳しく描かれている。
「例えば綾瀬とは何の関係もないように見える源平合戦も、最初の矢をうったのは重国の次男と言われています」と話す浅田さん。著書は渋谷一族を縦軸に置き、横軸として鎌倉の歴史を織り交ぜた。
書籍は四六判で158ページ。1部1700円(税別)。市役所内売店(【電話】0467・77・1111)、五社神社(【電話】0467・77・5310)、山田花園(【電話】0467・78・2851)で取り扱っている。
問合せは浅田さん【電話】090・4947・4903へ。
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