綾瀬市出身・在住のプロの陶芸家、近藤圭さん(42)が、5月21日から27日にかけて東京都立美術館で開催された「第72回創造展」で内閣総理大臣賞を受賞した。最優秀となる創造美術会大賞は逃したものの、審査員から高い評価を受けての受賞となった。
創造展は、洋画・日本画・染織画・彫刻・陶芸の5部門からなる作品展。今回、全国から360の作品が集まり、近藤さんが出品した陶芸には、120点の応募があった。
今回出品した作品「飴釉掛分鉢」は、花器として制作した。こだわりは飴色の釉薬の発色と、これに融和するよう入れた黒、ワンポイントとなる白と飴色との境目を明確にした色味のバランス。口の曲線や側面の緩やかなカーブを描くフォルムにも気を使ったという。
今年に入ってから構想を練り、ミニチュア作品で幾度となく試行錯誤を重ね、1カ月の制作期間を経て完成させた。これらのこだわりが、審査員から高い評価を受けた。
「側面のカーブを思い描くものにするのが一番難しかった。また釉薬は融和する性質があるので、色をしっかりわけるのはすごく気を使いました」と、近藤さんは話す。
知り合いにプロの九谷焼の陶芸家がいた縁で興味を持ち、19歳で弟子入りしたという近藤さん。石川県で5年間学び、24歳で地元綾瀬に戻り、アトリエ兼陶芸教室を開き独立した。
今は市内で週3回の教室の主宰や、市外へ指導に出向くなどしながら、自身の創作活動を行っている。グループ展や個展などに出品するほか、定期的に市内吉岡にある「吉祥」でも展示会を開くなどしている。
作品に対する同氏のこだわりは、「デザイン性を持たせつつ日常で使えるもの」を作ること。料理や花など、器が受ける主役を邪魔しない色使いの中に、ワンポイントなど独自性を盛り込む。
「普通、陶芸家は一技法を貫きますが、産地の作家ではないのでそこに固執する必要がない。作りたいもの、挑戦したい技法はまだまだあるので、これからも自由な発想で臨みたいです」と語った。
今回の受賞作は今後、市内で展示する機会を設ける予定だという。
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