日本ソーラークッキング協会の会長を務める 鳥居 ヤス子さん 市内上土棚北在住 82歳
笑顔弾ける”ソーラーおばさん”
○…日本ソーラークッキング協会は、世界組織「ソーラークッカーズインターナショナル」に所属している。「ソーラークッカー」という器具で太陽光を集め、その熱で調理するソーラークッキングの普及が主な活動だ。もともと個人で普及活動を行っていたが徐々に仲間が増え、10数年前に協会を設立した。現在は国内外の各地でソーラークッカーの実演を行っており、今月8日・9日には横浜のイベントに出展する。
○…ソーラークッカーとの出会いは1986年、アメリカのカリフォルニア。フリーライターとして訪れた取材先で、「ソーラーオーブン」と呼ばれる箱型の物を見たのが最初だった。自然食や有機農業について書いていたこともあり、すぐに「エコで楽しく美味しいソーラークッキング」の虜になった。「大概の物は作れるのよ。ご飯も炊けるしお芋も焼けるし、ケーキだって」。自慢の料理を振る舞ってくれた。
○…戦前、台湾に住んでいた日本人の両親の元で生まれる。終戦後、13歳の時に日本に引き揚げ静岡へ。台湾の女学校で英語を学んでいた経験を活かし、大使館に勤めていたという経歴も持っている。結婚して世田谷区で暮らしていたが、3人目の子どもが生まれたのを機に戸建購入のため1972年に綾瀬に移り、フリーのライターに転身した。現在は息子夫婦と共に暮らしている。
○…「エコは我慢とか不自由ってイメージが強いけど、そんなことない。お金をかけず楽しめるんだから」と魅力を語る。ソーラークッカーに限らず部屋には様々なソーラーグッズが溢れており、楽しそうに使い方を説明してくれる。その面白さを伝えるため、小学校の課外授業で手作りソーラークッカーの作り方を教えたり、調理の実演をしたりと活動は幅広い。「この魅力を知ってもらって、もっともっと取り組みが広がったら嬉しい」と、屈託のない笑顔を見せた。