任期満了に伴い7月10日に投開票された綾瀬市長選挙で、前副市長で新人の古塩政由氏(65)=自民・公明推薦=が2万4874票を獲得し、初当選した。同じく新人で出馬した元市議会議員の笠間信一郎氏(67)=日本のこころ推薦=は、1万904票で及ばなかった。投票率は前回の34・79%を上回る54・17%だった。
市長を3期12年務めた笠間城治郎氏の引退を受け、新人同士の一騎打ちとなった綾瀬市長選。現市政の流れを受け継ぐ考えの古塩氏と、「現市政は無策」とする笠間信一郎氏の「継続か刷新か」が争点となった。
選挙期間中、古塩氏は副市長として現市政を10年間にわたり支え続けた行政経験と実績を強調。都市基盤整備や産業振興策など、笠間市政の継続による発展を訴えてきた。
投開票日当日、古塩氏の選挙事務所前にはモニターと椅子が設置され、集まった支持者らはテレビを見ながら選挙の動向を見守っていた。午後10時に出るはずだった第一報は0対0のまま、詳しい情報もなく支持者らは固唾を飲んだ。
午後10時30分頃、古塩氏1500票・笠間氏1千票と発表された直後に、当確の文字がテレビに流れた。当確の一報を受けた古塩氏は、集まった支持者らと万歳三唱。当選に沸く事務所には笠間城治郎市長や綱嶋洋一県議、市議らも駆けつけ祝福した。
登壇した古塩氏は、「一歩ずつ地域を回り、ご挨拶をする中で、市民一人ひとりの熱い支援と思いを感じることができました。選挙期間中に約束した5つの政策をしっかり、地道に進めてくことを約束します」とあいさつ。その後、だるまの目入れが行われた。
一夜明けての取材で同氏は、「今後、超高齢化と人口減少を迎える中で、地域包括ケアシステムの整備が必要。綾瀬は県内で進んでいるが、訪問医療や訪問薬局などの担い手を育てる必要がある」とした一方、「今回の選挙では、若者に直接働きかける機会がなかった。子どもたちには夢を、若者には希望を、高齢者には安心を。そういうまちづくりをしていきたい」と話した。
「前回以上の手応え感じた」笠間信一郎氏
笠間信一郎氏の自宅敷地内に設けられた後援会事務所に支持者が午後8時ごろから集まり、開票結果を見守った。
「まちづくり・人づくり・財力づくり」を政策にかかげ、自身のライフワークとしている子ども支援活動から教育改革を訴えてきた同氏は、「言いたいことを言えたという満足感でいっぱいだ。前回出馬した時に比べ知らない人から声をかけられるなど、終盤になるほど手ごたえを感じた」と、選挙戦を振り返った。
10時30分過ぎに古塩氏当選の報を受けた笠間信一郎氏は、「私は変人と言われることもあるが信念でやっている。応援してくれた人たちには感謝している。敗れてしまい、残念という思いを共有するしかない」と肩を落とした。
今後については、「政治活動は続け、次回もやる」と話し、次の選挙にも挑戦する意向を示した。
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