県がこのほど、ものづくり産業の発展に貢献している優良工場11社と、優良小規模企業者18者を表彰した。綾瀬からは優良工場に(株)栄和産業(吉岡東4の15の5/伊藤正貴社長)と、優良小規模企業者に(有)大場工業所(吉岡東3の3の40/大場洋美会長)の2社が選ばれた。
栄和産業
優良工場表彰は、県内に
立地する製造業の中小企業で経営成績・作業環境・生産技術などが特に優れており、労働災害や公害の発生防止、環境関連手続き遵守などに取り組む工場に贈られる。1958年発足以降、724社が表彰されている。
栄和産業は、自動車部品や大型建機部品、バス・トラック部品などの板金加工を行う会社。1974年に創業し、現社長は2代目となる。プレスによる深絞りや手作業での加工など高い技術力と、金型から試作・製造・組み立て・二次加工まで一貫して行える社内体制、国内の生産拠点に加えアジア・北米・欧州など世界への供給体制を整えている点などが評価された。
国内企業の生産拠点の海外流出やリーマンショックなどで、一時は経営の危機に直面していたという同社。技術力の高い職人を多く擁する特性を活かし、国内に残った技術を必要とする仕事に目を向け、「何でもやります」を合言葉に受注を拡大していった。
また、伊藤社長は近年雇用が増えている外国人労働者のための日本語教室への会場提供や、障害者雇用への先進的な取り組みなど人材育成にも力を入れる。
「今、クライアントの期待に会社の成長が追いついてないのが実情。人と共に成長し、お客様の要望に応え続けられる企業であり続けたい」と展望を語った。
大場工業所
優良小規模企業者表彰は、2015年に新設された制度。県内に事業所を有し、独自の技術や工法、発想による商品化や事業化を行い、地域活性に貢献するなど特筆した実績を残している企業が対象となる。
自動車部品や金型、油圧ユニット鈑金の溶接などを行う大場工業所は、1984年に大場会長が設立した。特殊鋼に厚みを出す「肉盛り溶接」やアルミ溶接など、難度の高い溶接を得意としている。また、溶接棒メーカーと連携することで「安心」と「高品質」の提供にも注力。道路の冠水防止に用いるスチール蓋「がぶのみ」の製造など、独自の事業も展開している。
同社の特筆すべき取り組みは、市と連携して市内の若手技術者に指導を行う「あやせ匠塾」。市側からのオファーを受け、「綾瀬全体の技術の底上げになるなら」と快諾した。
もともと、仲間内からは技術に関する相談が多く寄せられていたという大場会長。お世話になった綾瀬というまちへの恩返しや、「せっかくやるなら座学ではなく、実技を通した身のあるものにしたい」という強い思いもあった。
指導で会長がこだわるのは、機械のメンテナンスと基本動作の徹底。作業環境を整え基礎をしっかり固めることで、講習前後の技術力の違いが明白だという。
「若手の成長を見るのは面白い。市内の技術が底上げされれば業界自体が活気付くので、可能な限り続けたい」と意欲を覗かせた。
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