吉岡買い物支援ツアーを立ち上げた 加藤 功さん 吉岡在住 74歳
できることを、やり続ける
○…食料品や日用品の買い出しは日々の暮らしを支える大切な移動。自宅からお店までの交通手段に困る人をボランティアで支援する「吉岡買い物支援ツアー」を10月15日に立ち上げた。「元気な高齢者が元気じゃない高齢者を支える。これが求められる時代。私も来年は後期高齢者の仲間入りだけど、できることがあるうちは頑張る。ほんとは福祉なんて柄じゃないけど、のめり込んじゃったね」と笑う。
○…地域福祉の最前線に立つ地区社会福祉協議会の吉岡地区で会長を務めて12年になる。自治会長2年目の2006年に立ち上げに参加したのが地区社会福祉協議会だった。自治会長を退任すると休む間もなく地区社協の会長を引き受けた。「福祉にはいろんな要望がある。環境も人それぞれで難しい面だってある。調整を試みても、かなわないこともよくある。そういう時は仕方ないけどね」と、本音がこぼれる。
○…1945年3月に疎開先の鎌倉で生まれた。終戦後に本家のある綾瀬に家族で身を寄せ、綾瀬小、綾瀬中を経て大和の自動車工場に就職した。塗装や部品取り付けの現場で管理職まで勤め、50代半ばで会社が大手と合併。ほどなく早期退職した。「女房が後押ししてくれた」という。
○…24歳で結婚して2人の娘を授かり、大学4年から3歳まで4人の孫にも恵まれた。娘の一人は「スープの冷めない距離」にいる。「1人でもそばにいてくれるとありがたいよ。あしたは孫の運動会なんだ」と、頬が下がる。6年前に心臓、3年前に重い肺炎を患い「三途の川の向こうのお花畑を二度みた」。その間に妻も大病を患ったが、2人で克服した。地域の人には「大変なことを隠さず、ざっくばらんに話してみてよ」と、呼び掛けたいという。