4月7日に行われた神奈川県議会議員選挙。わずか447票差の接戦を制したのは、愛川町で生まれ、愛甲郡の自然で育ってきた若者だった。平成から令和へ。新時代に誕生した県議会議員として、佐藤圭介さんは地域資源の活用や地域コミュニティの重要性を語る。
本紙が最初に佐藤さんを取材したのは2014年。愛川町の自然の中で様々な課題に挑戦するイベント「愛川アドベンチャー」を企画した時だった。「本当は引っ込み思案というか、友人が何かしようとするのを『やめたほうがいいんじゃない?』って止めるタイプ」と自己分析していたが、郷土である愛川の魅力を一人でも多くの人に伝えるために、自分の殻を破ってイベントを企画。初の試みは80人が参加したが、回数を重ねるごとに規模が拡大。今や全国から参加者が集う人気イベントに成長した。
そして今、「県議会議員に当選させていただきましたが、自分の本質はあの時から変わっていませんよ、本当は引っ込み思案」と笑う。「でも、地元に足りないものを何とかしたい。地元を盛り上げたい、という気持ちでは、初めてイベントを企画した時と似ているかもしれません」と、再び殻を破った心境を語る。
選挙という大きな挑戦には葛藤もあった。「人生を1回立ち止まって考えました。議員になることで、頭の中でこれからやりたいと思っていたことができなくなるかも知れない、でも、議員になることで新しくできることがあるはず」。
決意は今年1月。早いスタートとは言えなかった。「それが逆に仲間との結束を強めました。土壇場の力というか、日ごとに盛り上がっていけた」と選挙戦を振り返る。「馬場学郎さんをはじめ、同級生や後援会の皆さんから、それぞれの立場で支えていただけました」と目を細める。
活躍の舞台は山々から議場へ
アドベンチャーレースのほか、仏果山を登る「仏果スカイクラブ」や地域の竹林を整備する「竹トレらん部」など、愛川町と清川村の大自然が常に自身のフィールドだった。そして、アドベンチャーレースを企画して初めて、地域で活動する人や自然を生活の一部にしている人が想像以上にいることを知ったという。「地域の人が一番地域を知っている。その様々な資源にもっと注目して、活用することが大切。これからは、県議としてどんなサポートできるのかをよく考え、様々な機会を作っていきたい。愛甲郡に住む人にはもっと地元を知ってもらう。そして外の人たちには愛甲郡のファンになってもらいたい」と、瞳を輝かす。
また、より魅力的な愛甲郡となるために、地域コミュニティの大切さも語る。「住み続けているからこそ、言いたいこともあるはず。その声はすごく大切です。地域に興味を持って、それぞれの立場で活動する人たちが増えれば、自然にコミュニティができていく。そんな人たちが、自然体で『ふわっ』と自分の本音や意見が言えるような、そんな場がこれからの時代は必要だと思います」と提言する。活躍の舞台は愛甲郡の山々から県議会に変わるが、視線は常に地域に向いている。
町議を務める父、佐藤茂さんの背中を見て育ってきた。「議員はいつも、地域と一緒に汗を流すイメージ。私も、どちらかというと議員というより『地域活動家』だと思っています。県議の仕事は少し地域の皆様から見えにくい部分もあるので、風通しよく活動していきたいですね」と語る。
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