今年、活動50周年を迎える愛川町写真クラブの会長 藤本 弘さん 愛川町中津在住 65歳
カメラ1つで世界が変わる
○…「常にオープンな組織であること。そして互いを認め合う関係。これが長く続けてこられたわけだと思います」と穏やかな語り口での第一声。目下、160ページに及ぶ記念誌の作成に向けて奔走中だ。記録が残っている昭和50年以降の会報や総会資料、写真に関する会員たちの随想など内容は盛りだくさん。1つ1つをまとめながら当時の思い出を懐かしそうに振り返っている。
○…50歳代から80歳代まで、現在会員は31名。会員をいくつかのグループに分けて、持ち回りで活動を企画するなど、いつも全員参加が合言葉だ。仲間同士の親睦はもちろんだが、写真技術の向上にも余念がなく、営業カメラマンを招き、写真を持ち寄る学習会も定期的に開催。自身は、クラブが開いた写真講座の受講をきっかけに、昭和52年に入会。「学びも発見もいっぱいで」と目を輝かせる。会長を務めて5年目だ。
○…「カメラがあれば、どこへ行っても面白い」。見慣れた景色や町並みも、ファインダーの中では特別な出会いとなることもしばしば。また経験を積み、準備をして撮影に臨んでも、同じ瞬間のない世界では、思い通りにいかないことも多い。しかし、それがまた、自身の意欲をかき立てる。自宅の廊下や居間にはそうして撮影した作品の数々が並んでいる。
○…北海道出身。大学卒業後、教員として神奈川へ。冬にもなると移動だけで大変だったふるさとと違い、「こちらは住みやすいですね」とにこやか。愛川町へ来て約40年。大概の道は分かっているが、最近は思いがけない被写体との出逢いを求め、意識して細道を歩く。このほか、山のぼりとノルディックウォーキングを始めた。当然、相棒のカメラはいつも一緒。歩くことで撮影チャンスが増え、撮影会も一層楽しみになったという。