育児支援の拡充や待機児童の解消などを目的に、今年4月から施行される「子ども・子育て支援新制度」。幼稚園と保育所の特長を持つ「認定こども園」の設置が進む中、しらかば保育園(池田町)が「認定こども園」への移行の意思を表明した。現在、太田和保育園も移行に向けた準備を進めるほか、私立幼稚園1園が協議を続けている。
「子ども・子育て支援新制度」の目的は、「質の高い幼児期の学校教育・保育の総合的な提供」「保育の量的拡大・確保」「地域の子ども・子育て支援の充実」の三本柱。待機児童や少子化など子育てをめぐる環境改善のため、今年4月から施行される。その具体的な取組みの1つに、幼稚園と保育園の機能を合わせ持つ施設「認定こども園」が挙げられ、自治体では普及拡大をめざしている。
横須賀市では今年度から認定こども園への移行支援策として、11時間以上開園して長時間預かり保育を行う園に運営費用を助成。これにより当初、私立幼稚園4園が名乗りを上げていた。しかし、今年4月に本格実施を迎えるにも関わらず、制度の周知不足や国の補助基準・指針の不透明さなどが浮き彫りとなり、移行を見送る園が相次いでいる。
市は新制度施行に伴い、子ども・子育て支援事業計画「(仮称)横須賀子ども未来プラン」案を策定。今月27日、審議会での議論を経て、市長へ答申した。
保護者のニーズに対応
池田町にある「しらかば保育園」は、幼稚園と保育園機能を一元化した施設「幼保連携型認定こども園」への移行を表明。今年4月の開設をめざしている。「以前から保護者の幼児教育に対するニーズの高まりを感じていた」と導入を検討。予定されていた園舎の建て替えが契機となり、移行の意思を固めた。
同園では就労の有無などに関わらず入園できるほか、農業体験を通した食育、専任保育士や講師による図工・体育教室も展開。移行後はこども園として、蓄積したノウハウを活かし、独自カリキュラムで幼児教育を行うとしている。
「小1の壁」も解消
さらに小学1年から6年生までを対象とする放課後児童クラブ(学童保育)も新設予定。「これで0歳から12歳まで、切れ目のない一貫した子育てが可能になる」と浜田和幸園長は話す。保育所を卒園し、小学生になった途端預け先がなくなる「小1の壁」問題の解消も期待される。このほかにも、園に隣接する一軒家での小規模保育を構想。2歳児定員5人に対し、2人の保育教諭で手厚い保育を実践するなど、実現すれば新制度のもとでのモデルケースとなりそうだ。
市内には約80の幼稚園・保育所がある。年間の出生数は3千人を割り、少子化が進むなか、新たな園児の獲得競争はこれまで以上に激しくなる。保護者に選ばれるための特色づくりは必要不可欠。しらかば保育園以外にも太田和保育園と私立幼稚園1園が市と協議を続けているほか、多数の園が関心を示している。
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