市民団体「津久井の自然を守る会」代表で、設立15周年の記念イベントを行う 三澤 幸子さん グリーンハイツ在住
津久井の自然に誇り
〇…武山の山中で見かけた不法投棄。「このままでいいのか。何かできないか」―と、地域の住民8人で発足したのが、津久井の自然を守る会。設立15周年を迎え、ホタルの生息環境保全など、地道な市民活動が少しずつ実を結んでいる。
○…会の結成当初は、不法投棄を行政に訴えてもあまり反応がなかったという。同時期、鬼ケ谷戸周辺でホタルの生息を確認。「水辺の環境を守るためにも、私たちが声を上げなければ」。使命感に駆り立てられた。車や家電などが投棄されている現状を根気よく訴えかけ、市による撤去作業につながった。完全撤去までは至っていないが、「地道に行動することが大切」と視線は真っ直ぐ。今では、地元の小学生も参加し、田んぼづくりを行う。「すべては次世代の子どもたちのため。大人が見本にならなきゃ」。多くの人を巻き込んで問題意識を共有することで、大きなうねりになる。自然を守る会も、わずか8人から会員170人の大所帯に。年を重ねて、手ごたえを感じている。
○…「学生の頃は引っ込み思案で、虫も苦手だった」とはにかむ。子育てがひと段落した40代、市民活動に足を踏み入れるきっかけは、平和活動の展示会だった。「自分に何かできることがあれば」と実行委員に手を挙げた。家族には「何でそこまで」と言われたが、学べば学ぶほど、役に立ちたいという想いが高まった。津久井での活動も同じだ。いつしか「黙っていられない性分になっていたの」と笑う。自身を後押ししているのは、意外にも「育ててくれた両親への恩返し」。今の自分が在ることへの感謝が原動力だ。
○…数年前、万代会館のことを知り、補修や保全の周知活動にも乗り出した。「まずは知ってもらうこと」と、見学会などに知恵を凝らす。地域の自然環境や積み重ねた歴史を知ることで多くの人とつながり、人生が豊かになる。「市民活動は、私の生活そのものです」
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