国が主導する「地方創生」の具体策として、政府関係機関の地方移転が構想されている。首都圏一極集中の是正を目的としたもので、政府は69の移転施設リストと誘致を希望する道府県名を公表した。対象施設には、横須賀市に立地する防衛大学校(走水)、海洋研究開発機構(夏島町)、情報通信研究機構(光の丘)、国立特別支援教育総合研究所(野比)の4つが含まれている。
県・市「しないよう働きかけ」
地方移転の対象となっているのは中央省庁や独立行政法人の研究機関など。東京、神奈川、千葉、埼玉の1都3県を除く43道府県に施設を分散配置することで均衡的な発展を促す狙い。
今回の提案募集で防大は広島県が、海洋研究開発機構は青森・静岡ほか5県が誘致に手を挙げている。政府は2016年3月までに方針決定する構えだ。
こうした一連の動きを受け、神奈川県と横須賀市は連携して国と当該施設に移転しないよう働きかけを行っていく。要請文を提出するほか、各施設の担当者を訪ねて意向を伝える。
防大の学生数は約2000人、教職員を含めれば3000人規模となり経済的損失は免れない。地元ゆかりの大学として愛着を持つ市民も多い。海洋研究開発機構も1000人の職員が就業しているほか、周辺には関連企業が集積。教育機関との連携も進んでいるなど、移転は大きな痛手となる。
市議会も危機感を持っており、人口減少に直面している窮状などを盛り込んだ「地方移転に反対する意見書」を関係機関に提出する。
ただ現時点では、道府県の提案であり、各施設側に移転の希望があるかは分かっていない。立地自治体とのつながりや歴史的背景もあり、政府の意向に対して、実現するかは不透明だ。
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