神奈川県教育委員会は今月14日、県立高校改革の新たな指針となる実施計画(I期)案を公表した。同案には、授業や教育課程の改編のほか、学校の適正配置を目的とした再編・統合計画も盛り込まれており、横須賀三浦・湘南地域では横須賀明光高と大楠高、三浦臨海高と平塚農業高初声分校が対象になっていることがわかった。
今秋、県教委が発表した計画素案で明らかになった学校の再編と統合。少子化に伴う生徒数の減少動向を鑑みた適正配置で、県立高校改革の一環として来年度から順次進められる。計画によると現在、県内にある142の県立高校(他、分校1校)のうち、2027年度までの12年(3期)をかけて全体の約2割となる20〜30校程度を削減する。
対象校の選定は、外部の有識者や学校関係者らで構成する検討協議会が実施。県内を5地域に分け、全日制進学率の向上、生徒数動向に対応した学校数と学級数(1学年8〜10学級を目安)、校舎の老朽化や通学利便性などの観点から話し合われてきた。
今月14日には19年度までの第1期計画が示され、再編・統合される10校が明らかになった。横須賀三浦・湘南地域では、横須賀明光と大楠、三浦臨海と平塚農高初声分校が対象で2校減となる。
明光・大楠は来年度から準備に入り、20年4月に統合。集合型専門学科高校を掲げる横須賀明光高の福祉科と、成績不振や不登校者に教育機会の門戸を広げる「クリエイティブスクール」指定を受けている大楠高普通科の特色をそれぞれ引き継ぎ、全日制の2学科を設置する。敷地や施設は横須賀市佐原にある明光のものを活用する予定で、校名や大楠高の跡地利用については明らかになっていない。
三浦臨海と平塚農高初声分校は1期計画のなかで一番早い18年度内の統合をめざす。学科は単位制による全日制の普通科と農業科の2つ。現在、平塚農高では、昼間定時制として生徒を募集しているが、統合以降は全日制に変更となる。校舎・敷地は三浦臨海高を使用し、平塚農高初声分校は農業科の教場として活用される。
最大165校あった県立高校。2000年から09年度に行われた大規模な統合により20校余りが閉校したが、県内公立中学校の卒業生徒数は1988年の12万2000人をピークに、この先も減少が続く見込み。今後発表になる2期の改革計画では5校程度、3期では10校以上が統合する。
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