DJとして、まちおこしイベントの企画に携わった 仲山 慶さん 大滝町在住 36歳
平日酒屋、週末DJ
○…歩行者天国となった千日通りの一角。ご当地グルメに酒、古着や古本を求める老若男女でごった返していた。その中心「酒のデパート ヒトモト」の店先に設置されたDJブース。そこから流れる軽快な音楽に、道行く人が吸い寄せられる。皆、体を揺らしながらその心地よい空間に酔いしれていた。「笑顔があふれた楽しい時間になった」と喜んだ。
○…高校まで水泳一筋だった青年にDJを志すきっかけを与えたのは、先輩に連れられていったクラブ。DJがかける音楽を、その場にいた人たちが大合唱している姿を見て「衝撃だった。これだけ人を盛り上げるDJという仕事に魅かれた」。すぐに機材を揃え、練習を始開始。ネットが全く普及していない時代。深夜ラジオにかじりつき、良いと思った曲があればすぐに買いに行く毎日を送った。そして2007年にCDを出し、同年にフジロックにも出演した。「体が震えた」と当時を思い出す。
○…DJという職業に着目されがちだが「メーンは酒屋なんです」とはにかむ。酒屋の息子として生まれ、純粋に酒が好きだ。大学を出てすぐに都内の百貨店で酒を売る仕事に就いた。その後、実家を継ぐために帰郷。物心ついた時から親や祖父母が働く背中を見てきただけに継がないという選択肢はなかったという。平日は酒屋、週末はDJ―。「周りの目を気にすることもあったが、中途半端にできない」と、”本気で”2足のわらじを履く。今回のイベントで店先にブースを設置したのも、DJとしての仕事に誇りを持っているからこそだ。
○…2つの共通点は「人をつなげる力」。2年ほど前から市内の飲食店を借りて、音楽と日本酒を融合させた催しを手掛ける。「心を解放させ、コミュニケーションの後押しをしてくれる」。イベントの度に実感する。「これからも酒と音楽をつなげる機会を作っていきたい」と意気込んだ。
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