「自分の課題も見つかった。いい経験になった」―昨年11月に行われた日本代表候補の合宿をそう振り返った。187cmの身長から繰り出されるシュートに加え、両手が遜色なく使えるハンドリング、長い手足を活かした鋭いドリブル突破など総合力が優れた超中学級のプレーヤー。中学3年生、日本バスケットボール史上最年少で代表候補に選出され、注目が集まっている。
悔しさ糧に猛練習
米国人の父と日本人の母の間に生まれた。諏訪小4年の時、友人に誘われミニバスケットボールチーム「鶴久保MBC」に入団。「当初は全くついていけなかった」。同年代でも頭一つ身長が大きかっただけに、周囲から「威圧感だけ」などとからかわれることも多かった。そんな悔しい思いを糧に、放課後のほとんどを自主練習に充てると、才能が開花。「人一倍練習をして周囲を黙らせたかった」。監督の金井雅美さんは「本当にバスケが大好きな子。苦手なプレーを何度も練習していた」と当時を振り返る。坂本中学校進学後もめきめきと力をつけ、世代別の日本代表選手に選ばれるほどに急成長を遂げた。
精神面も大きく
中学生の都道府県対抗の大会、通称「ジュニアオールスター」に1年生で唯一選出されたが、精神面で未熟さが目立ち、試合に出場する機会を失っていった。坂本中での練習でも、イライラして壁を蹴るなど感情のコントロールに苦しんでいた。「当時の自分を思い出すと恥ずかしい」。そこから徐々に変化が見られたのは2年生の時。世代別の日本代表に選出され、坂本中でも中心選手として活躍するようになり「このままじゃいけない」と、自身のプレーや行動に責任を感じ始めた。その年のジュニアオールスターでは主将としてチームを牽引。大会MVPにも選ばれた。「中学を振り返って一番成長したのは精神面かな」
「夢はNBA」
現在の目標は「まずは自分の進路を決めること」と苦笑い。現在、海外の高校なども視野に入れ、自分が最も成長できる環境を見極めている。そしてゆくゆくは「2020年の東京五輪の日本代表として活躍したい」と力を込めた。
日本代表候補の合宿に参加し、トップレベルの選手たちのプレーを体で感じた。シュート精度の高さやフィジカルの強さなど、同じコートでプレーすることで自分に足りないものが浮き彫りになった。
「夢はNBAプレーヤー」―答えに迷いはない。横須賀、そして日本のバスケットボール界のホープの活躍に、これからも目が離せない。
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