市内で活動する障害児の母親グループ「一般社団法人sukasuka―ippo(すかすかいっぽ)」が久里浜で「インクルーシブ学童」を開所する。障害の有無に関わらず”共に育ちあう場”を目指したもので、商店街の空き店舗を活用し、地域や近隣事業者と連携も視野に入れる。
小学生が放課後を過ごす場所として、市内には62カ所の学童(放課後児童クラブ)がある。昨年12月現在、障害児の受けを入れ行っているのはそのうち30施設で、平均して1〜2人が在籍しているという。年々その数は増えているが、専門性を持ったスタッフの確保や障害に対する個別の対応なども課題とされている。近年では”障害児の学童”と言われる放課後等デイサービス施設も市内で急増。特別支援級や養護学校に通う児童生徒が、室内・屋外での運動遊びや、個々の発達に合わせた作業・訓練をしながら放課後を過ごしている。
多様な学びができる場
安心して子どもを預けられる”第3の居場所”として、市内で活動する「すかすかいっぽ」が4月の開所準備を進めているのが、障害の有る無しに関わらず、共に育ちあうことを目指した「インクルーシブ学童」。
きっかけは、「みんなの学校」という映画。大阪市に実在する公立小学校を舞台に、特別支援級もなく、全ての子どもが同じ教室で一緒に学ぶ姿が描かれている。この作品の上映会を市内の小学校で展開するなかで「この学校のように”みんなの学童”を作れないか」という声がメンバーから上がったという。「自分も障害の有る無しに関わらず、周りの役に立てる人に」「みんなで助け合うってすごい」といった普通級児童からの感想も後押しになった。
「子どもたちは多様な感性を持っている。放課後の時間を(障害児と)一緒に過ごすことで、さまざまな気付きや価値観が生まれる」と同代表の五本木愛さん。加えて「放課後デイは、専門スタッフやサービスも充実している。もちろん障害児だけで過ごす環境は安心だが、多くの人との関わりで学びや遊びの世界を広げることも大切にしたい」と話す。
地域連携も視野
施設名は「sukasuka―kids(すかすかきっず)」で、久里浜商店街、黒船仲通り内の空き店舗に開設する(久里浜4の14の6)。同地区は学童の待機児童も多く、既に関心のある保護者からも問い合わせがあるという。スタッフは放課後児童支援員(学童指導員)の経験者などを確保。障害児を育てる母親もいる。運営責任者の宮嶋美紗さんは「『ただいま』と安心して帰ってくる場所にしたい」と話す。立地を活かした地域交流や放課後デイとの相互連携、親子でのイベント企画なども視野に入れているという。
定員は22人で開所時間は、平日午前11時から午後6時、土曜日は午前8時から午後6時(いずれも7時まで延長あり)。車での送迎も可。子どもの状況に応じて、学童と放課後デイの併用もできる。
今月27日(土)には、入所説明会を実施。会場は久里浜コミュニティセンターで午前10時から。詳細は五本木代表【携帯電話】080・5484・8186
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