明治後期に灯明堂近くの丘陵地に築かれた陸軍要塞の「千代ヶ崎砲台跡」(西浦賀6の17)で、未発掘だった第三砲座跡の掘り起こしを横須賀市が行った。砲床部の石積みや弾室(砲弾置場)、塁道から砲座に繋がる出入口などが良好な状態で残っており、貴重な戦争遺跡として保存活用される見通しだ。来月に行われる市主催の発掘調査見学会で一般に初公開される。
土砂に埋蔵の第三砲座跡
千代ヶ崎砲台跡は2015年に国の史跡指定を受けている。3つの砲座が南北の直線上に配置されており、今回掘り出された第三砲座は一番北側に位置している。
同砲台跡がある敷地は戦後、海上自衛隊が通信施設として使用しており、第二・三の砲座群は土地利用のために埋められたという。2015年に防衛省が第二のみ現状回復。土砂に埋没していた第三の発掘調査を昨年11月から市が独自に進めていた。左翼観測所の残骸も掘り出されている。
首都防備の役割を担った東京湾要塞の中でも千代ヶ崎砲台は、後期に建造されたもので砲座につながる弾薬庫などは雨水の侵入対策に焼過煉瓦が採用されているほか、天井部がコンクリート造になっており、近代建築と土木技術の発展過程が見て取れる。隣接する民有地(観光農園)にも同様の機能を持った戦跡が数々残されている。
第三砲座跡発掘調査見学会
市教育委員会生涯学習課の主催で2月17日(土)・18日(日)・の両日、「第三砲座跡・左翼観測所跡」の発掘調査現場見学会が開かれる。自由見学となるが、調査を行った担当職員による解説が聞ける。地下施設も見ることができる。時間は各日午前10時から午後3時。申し込み不要で現地集合・解散。参加費無料。詳細は同課【電話】046・822・8484
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