横須賀市は今月1日から、民間事業者と連携した「シェアサイクル」を始めた。市内4カ所に設置したステーション(貸出・返却場所)の間で乗り捨てができる仕組みで、市では自転車の移動軌跡データを元に、観光施策にも活用していく考えだ。
「シェアサイクルステーション」を設けているのは横須賀モアーズシティ(若松町)・ヴェルニー公園(コルーセル脇/汐入町)・横須賀温泉湯楽の里(馬堀海岸)・観音崎京急ホテル(走水)の4カ所。市は観光客などからレンタサイクル等の問い合わせがあったことを受け、IoTを活用したシェアサイクル「HELLO CYCLING」を展開する2事業者と連携したサービスをスタートした。
いわゆる「貸自転車」で、従来のレンタサイクルと基本的には変わらないが、一般的に「シェアサイクル」は、設置された無人の貸出場所のどこでも返却可能。主に時間貸しで、GPSや通信機能を搭載して管理し、ネット上で登録や予約を行う。スマホや交通系ICカードなどで決済する仕組みだという。
モデルコースも提案
自転車による周遊型の体験観光を広げるため、市は2016年にレンタサイクル「スカチャリ」の実証実験を3カ月間行ったが、横須賀中央駅前に設けた貸出場所への返却が必要であったことなどから、利用率は伸び悩んでいたという。
今回は「横須賀シェアサイクル」と名付けて、4カ所の貸出場所で電動アシスト車・計12台を整備している。フル充電で40〜50Km走行可能。横須賀中央・汐入・馬堀海岸駅などでモデルコースを記したパンフレットを配架、自転車にも市の観光情報にリンクするQRコードを貼付している。
さらに、システム提供者(OpenStreet株式会社)と協定を結び、自転車が移動した軌跡データの提供を受ける方向で、ルートや滞在スポットなど、利用者の動向を今後の観光施策に活用していくという。
市担当者は「歩くには少し遠いという場所も、自転車があれば効率よく巡ることができる。これを機会に東海岸の回遊性をPRしたい」と話しており、今後の動きによっては貸出拠点の増設も考えているという。ステーションでの台数偏り調整や故障時の修理は、市内の自転車店が対応する。
近隣市では公共利用
「シェアサイクル」事業に取り組む自治体は、近年増えている。IoT化が進み、無人で管理できるようになったことも影響しており、主に携帯電話事業者が参入している。都内では、7区横断で広域相互利用が進むほか、横浜市では「ベイバイク」として約400台が稼働。コンビニ等にもポート(貸出返却拠点)があり、観光地での二次交通の提供だけでなく通勤にも活用されているという。
神奈川県は県西部2市8町の地域活性化プロジェクトの一環として、コミュニティサイクルの実証実験を行っており、観光活性や「未病改善」の取り組みと連動させている例がある。
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