三浦縦貫道路林入口至近にある「船久保遺跡」(林5の1659)から、約3万年前の旧石器時代に掘られた「陥(おと)し穴」とされる遺構27基が見つかった。神奈川県横須賀土木事務所の委託を受けて発掘作業を行っている玉川文化財研究所が発表した。狩猟用に掘られたと考えられており、日本最古級。長方形と円形の形状があり、前者の発見は全国でも例がないという。
船久保遺跡は三浦半島の西側、小田和湾を見渡せる標高30〜40mの丘陵地に位置。旧石器から弥生時代の遺跡で2013年の春から発掘調査が行われ、今年が最終年度となる。
これまでに旧石器時代の遺構・遺物のほかに、縄文時代早期の「陥し穴」群と土器片や石器、弥生時代後期の竪穴建物跡2軒と土器片が出土している。氷河期とも重なるこの時代の「陥し穴」は全国的に見ても稀であり、本州での発見は静岡県東部と船久保遺跡のある三浦半島西側の数カ所にとどまる。
現在の研究では、日本列島に人類が暮らし始めたのは約3万8千年前とする説が有力。「これに近い時代に三浦半島で狩猟を行いながら生活を営んでいた人々がいた事実を伝える資料として極めて貴重」と同研究所の研究員である前川昭彦氏は説明している。
今月13日に現地見学会
発掘調査を行っている玉川文化財研究所では5月13日(日)、船久保遺跡の調査成果を公開する現地説明会を開く。横須賀市教育委員会が後援。出土遺物の展示に加え、発見された「陥し穴」を発掘状態のままで確認することができる。研究員による解説も聞ける。
午前10時から正午と午後1時から3時の2回。誰でも自由に参加できる。
駐車スペースがないため、公共交通機関等を利用する。現地説明会に関する問い合わせは同研究所現地事務所【電話】046・874・6617
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