看護師など医療従事者が常駐し、医療や生活の困りごとの相談ができる「保健室」をまちなかに作りたい―という取り組みが市内でスタートした。コミュニティナースとして活動する津久井在住の小松亜矢子さんが、「横須賀まちの保健室プロジェクト」を立ち上げ、賛同者を募っている。「地域住民の相談の場、安心して立ち寄れる居場所を作りたい」と話している。
看護師として病院に勤務していた小松さんが地域での「相談拠点」の必要性を感じたのは数年前。自らも病気を抱えていたこともあり、「本人だけでなく、家族も胸の内を話したいと思っている。身体の心配事、不安などを病院ではなく学校の保健室のように、気軽に立ち寄って話せる場所があれば」と考えていたという。看護の専門性を活かしながら、まちに出て自由で多様なケアを実践する医療人材「コミュニティナース」という存在を知り、支援機関でその役割や地域との関わり方を学んだ後、この春「横須賀まちの保健室プロジェクト」を立ち上げた。市内での拠点づくりに関して、公開プレゼンテーションなどでPRし賛同を募っており、関心を寄せる事業者もあるという。
将来的には常設を目指しているが、手始めに、長沢駅前の居酒屋「縁」を会場に開かれているコミュニティカフェ「サンカフェ広場」の一角で6月から月1〜2回程度の実施を計画中。さらに、出張型の相談業務やワークショップ・イベントの開催なども考えている。
情報弱者減らす
看護師の経験を活かして、ライターとして医療に関する記事なども手掛けている小松さん。「ネットなどで誤った医療情報がひとり歩きしている時代に、医療従事者が正しい知識を伝えることも大切。そのためにも地域で活動し、発信できる場も必要」と話している。
全国で50カ所以上
まちなかの”居場所”の活動は、近年全国でも広がりを見せており、先駆けとなったのが、東京都新宿にある「暮らしの保健室」。高齢化が進んだ都営団地1階に「医療・介護、暮らしや健康に関わるよろず相談所」として設けられた。看護師など医療従事者らが在籍しており、ボランティアや学生なども参加。開設から7年、「地域の居場所」に発展している。
川崎市内では、一般社団法人が地域のコミュニティスペースなどを活用し、巡回型で実施。健康についての勉強会や会員制で病院への付き添い業務なども展開している。運営事業者は病院や企業、社団法人などさまざまだが、地域のニーズに応じた「まち・暮らし」の保健室は、全国で50カ所近くに上るという。
横須賀でのプロジェクトの問い合わせはフェイスブックページhttps://m.facebook.com/yokosukahokenshitsu/へ。
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