「現場で働く人々を支えたい」。そんな思いに駆られ、見守り介護ロボット「aams(アアムス)」の実用化を成功させたのが(株)バイオシルバー(横浜市)の代表取締役・原田敬三さんだ。原田さんの理想は「ロボットと人が共存する介護」。その思いを聞いた。
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横浜市生まれの原田さんは、建築会社やホテル経営などを手掛けたビジネスマン。介護ロボットとの接点は約9年前にさかのぼる。知人の紹介で、人体に接触せずに脈拍などを計測できる生体センサーを開発する技術者と出会い、その技術にほれ込んだ。乳児向け機器への活用が想定されていたが、原田さんは「介護でも生きる」と確信し、開発者の息子らと共に会社を設立。ロボットの開発に着手し、試行錯誤の末に完成したのが「アアムス」だ。
高性能センサーは、体に触れない布団の下からでも生体データを即時に計測できる。施設職員が入居者を見回る負担を軽減させ、現場からは「異常があればすぐに知らせてくれるので、安心して入居者と向き合える」などと高い評価を受ける。現在、全国約500施設で導入され、その数を増やしている。
介護ロボットは多くの企業で開発が進み「人に代わる存在」を目指す会社も少なくない。そんな中、原田さんは「人に代わる存在は目指していない。人と共存し、人を支えるロボットでありたい」と自社の理念を語る。そして「私も10代の頃、認知症の祖父を家族と共に介護しました。大変でしたが、人の温もりを感じられる貴重な経験でした。技術を生かし現場の負担を減らすことで、人と人が触れ合う時間を増やせれば」と笑顔で話した。
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