老朽化や患者受け入れの限界が指摘されている市立うわまち病院について横須賀市は、移転し建替える方針を固めた。進入路が狭いことや、現在地が「土砂災害特別警戒区域(レッドゾーン)」に指定される見込みがあることが理由。移転場所については今年度内に決定する意向。今後も市立2病院体制を維持していく考えも示した。
うわまち病院は中央病棟と外来棟が築50年を超え老朽化が進み、患者の受け入れも限界に近い状態となっていることから早期の建て替えが必要とされている。横須賀市は、市立2病院のあり方とうわまち病院の建て替えについて、2015年3月に有識者でつくる「市立病院運営委員会」に諮問。今年3月に「早期の建て替えが必要、市立2病院体制維持すべき」との答申を受け、市は今月21日の定例会見で移転建替えと2拠点維持の方針を明らかにした。
進入路狭く開発困難
移転理由の一つとして、県道から病院までの進入路の幅が狭いことが挙げられた。都市計画法上、開発行為には9m以上の幅員が必要となるが、同病院への進入路は5・5mほどしかなく、拡幅を待つことは難しいとした。また、敷地内の一部が県からレッドゾーンに指定された場合に災害対策を講じる必要があり、建て替えに時間がかかることなども説明した。
移転場所について上地克明市長は「現時点では白紙」と述べ、今年度中に人口動態や地政学的な見地から決定していく考えを明らかにした。
統合は難しい
市立病院のあり方については、市の西側をカバーする市民病院との2病院体制を維持していく方針。将来的な入院需要の増加に対応する必要があることや、2病院を統合する場合に広大な建設用地(約4万平方メートル)の確保が難しいことを説明した。
上町では13年5月に横須賀税務署が移転。市立病院の移転建替えが決定したことで、まちの空洞化が危惧される。上町商盛会商店街振興組合の田中昌一代表理事は「病院関係者や利用者の往来がなくなってしまうのは、商店街にとって大きなダメージ」と話した。
今月末の定例会では市の方針決定について議論が集中しそうだ。
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