横須賀市自然・人文博物館(深田台)で今月15日(土)から企画展示「仏国メラング家で見つかった横須賀製鉄所資料」が始まる。同製鉄所で製図の責任者を務めたメラングが子孫に残していた資料71点を特集。ヴェルニー直筆のサインが入った雇用契約書や規則書のほか、幕末から明治の製鉄所界隈の写真、本人の日記などを新規収蔵のコレクションとして初公開する。会期は来年3月24日(日)まで。
ルイ・メラングは横須賀製鉄所の製図工長として1866年初めに来日、約4年間を横須賀で過ごした。日本初の洋式灯台、観音埼灯台の製図も担当しており、その部下には、後に富岡製糸場の設計に関わったバスティアンがいる。
横須賀に関連したメラングの資料が現地で見つかったのは昨年のこと。子孫に伝来していたもので、フランス人研究者が「ゆかりのある町で収蔵するのが望ましい」として当市に声を掛けたという。その内容は、ヴェルニーがメラングに送った製図責任者としての雇用契約書や製鉄所の全体意見書(規則書)のほか、滞在中の日記、写真、メラング本人の名刺など71点。市は「製鉄所の歴史を伝える貴重な資料」として今年度予算690万円で購入、所蔵することになった。
市の”財産”に
「製鉄所建設に関わるヴェルニー直筆の書状は、近代史上でも貴重。市としても大きな財産になる」と語るのは、同館学芸員の菊地勝広さん。ほかには、東京湾と相模湾沿岸部の地名が記された地図や製鉄所外国人用住居の見取図、工事状況図などの資料が現存。また、メラングは日記に生活の様子を細やかに記しており、「週末には横浜を訪れて買い物をするなど、当時の暮らしぶりが感じ取れる」と話す。さらに「製鉄所に関するものだけでなく、町の風景や様子が分かる写真や資料は興味深いもの。未来の横須賀の宝になる」と菊地さん。今回、市が新たに所蔵した71点すべてを「速報展」という形で公開する。
初日の15日(土)には午後1時から担当学芸員による展示解説も行う。参加無料。問い合わせは同館【電話】046・824・3688
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