三浦半島の環境保全に取り組むNPO法人三浦半島生物多様性保全はこのほど、絶滅危惧種に指定されている渡り鳥「ミゾゴイ」の三浦地域における生態をまとめた冊子を刊行した。存在の周知と、生息地の保全啓発が狙い。
ミゾゴイは冬の間はフィリピンなどで越冬し、春に繁殖の為に日本に訪れる渡り鳥。地球上ではほとんど日本列島でしか繁殖せず、個体数はわずか600〜1700しかいないとされる。トキやジャイアントパンダが1800ほどしか残存していないことを考えると、その少なさがわかる。
三浦半島の里山と生態系の保全に取り組んでいる同法人。絶滅危惧種の中でも一般的に知名度が低いミゾゴイの周知と、開発事業等で生息地がなくならないよう啓発の思いから冊子制作を決めた。
環境保全呼びかけ
A4版の全12ページ。一般的なミゾゴイの生態から始まり、昨年7〜9月にかけて行った営巣調査の結果や考察を記載。50個体ほどが三浦半島に生息していると推測する。これまで、三浦地域におけるミゾゴイの研究は行われてこなかったという。また、生息に必要な環境保全への呼びかけも掲載している。
調査は日本野鳥の会神奈川支部長で、同法人にも所属する鈴木茂也さんが中心となって行い写真も全て撮影した。その他、バーコードリーダーを読み取ると鳴き声が聞こえる仕立ても用意。鈴木さんは「鳴き声は聞いたことがある人も多いと思う。子どもから大人まで見てほしい」と話した。
同法人代表の天白牧夫さんは「ミゾゴイは繁殖の為に日本に来る。人に見つかると子育てをやめる可能性があるため、探したりはせず鳴き声を聞いて思いを馳せる程度に」と呼びかける。
値段は1冊300円で、衣笠商店街の三雄堂書店ほかで販売中。
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