「禁じられた遊び」「第三の男」―戦前・戦後、人気を博したヨーロッパ映画。名作として現在も語り継がれるこれらの作品の日本公開時ポスターを手掛けたのは、配給会社の東和商事合資会社(のちの東宝東和)に在籍していた野口久光(1909―1994)。横須賀美術館では、同氏の生誕110年を機とした企画展「映画とジャズを愛した男 野口久光シネマ・グラフィックス」を2月9日(土)から開催する。
野口作品の特徴は、物語の世界に合わせて表現された絵と「描き文字」。映画ポスターデザインの第一人者として、約30年間で1千枚以上のポスターを手掛け、映画のシーンや出演者の表情など大胆なレイアウトと色づかいは、当時のグラフィック・デザイン界に大きな影響を与えた。
音楽評論家の顔も
企画展では、映画ポスターの代表作約160点のほか、雑誌の表紙や書籍の装丁など多彩な仕事に触れる資料を紹介する。グラフィック・デザイナーという枠を超え、ジャズやミュージカルにも造詣が深く、音楽評論家としても活動。ルイ・アームストロング、デューク・エリントンらとも親交を重ねた。会場では同氏が手掛けたレコードジャケットのほか、往年のジャズプレーヤーと収めたフォトグラフも展示する。
観覧料は一般900円、高大生・65歳以上700円、中学生以下無料。会期は3月31日(日)まで、2月17日(日)は無料観覧日。詳細は同館【電話】046・845・1211
ジャズ巨匠が特別対談
同館では企画展に関連し、ジャズをテーマにしたイベントを展開。2月19日(火)は、ジャズプレーヤーの渡辺貞夫氏とジャズ喫茶オーナーの菅原正二氏による「野口久光展スペシャル対談」が行われる。午後3時から4時半、会場は同館ワークショップ室。聴講無料(要観覧券)で事前申し込み制。メールで参加人数(4人まで)、代表者の〒・住所・電話番号、全員の氏名・年齢を明記し、表題に「野口展スペシャル対談」と記して【メール】art-event@city.yokosuka.kanagawa.jpへ。2月4日(月)必着、申し込み多数の場合は抽選。
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