横須賀開国史研究会20周年の記念講演会で登壇する 齋藤 純さん 72歳
歴史を知り、絆を深めて
○…横須賀を中心に、幕末から明治初期にかけての三浦半島に関する歴史の掘りおこしと研究を行っている「横須賀開国史研究会」。創立20周年を記念した講演会で研究発表を行う。「横須賀、特に浦賀は日本の歴史の中で重要な役目を果たしてきた場所。だが世間一般ではほんの一部の史料でしか歴史が語られておらず、驚くとともに研究を進めることは大変価値があると感じた」と語る。
○…東京都出身。高校時代は文学少年で、近代文学に触れていく中で日本人の特有の気質に気付く。より深く理解しようと近世史を学び、傾倒していくようになった。横須賀との繋がりは、大学の後輩で、現在開国史研究会会長を務める山本詔一さんから誘いを受け、およそ40年前に浦賀に転居してきたことから始まった。「海のない場所で生まれ育ったので、憧れがあったのかな」。10年以上横須賀に住み続け、県外に移住した今も、山本さんからの依頼で研究会の特別研究員として浦賀へ毎週足を運んでいる。
○…登壇する講演会のテーマは「浦賀奉行所の明治維新」。奉行や与力として勤め、維新を機に奉行所をおわれた旧幕臣の知られざるその後の足跡を文献から読み解く。「勝者の歴史だけでなく、多面性を考えないと社会全体に正しく向き合えない。この講座がその目を養うきっかけになれば」
○…10年前にはこの研究会で活動する中で、ペリー来航を詠った風刺狂歌が黒船来航直後に誕生したものであると記載された文献を偶然発見し、世間から浦賀が再注目された。「郷土の歴史を学び、見つめなおすことで人々の結びつきを強め、新たな繋がりが生まれるのでは。そのために多角的にきちんとした歴史研究をし、広く議論がなされる基礎を作りたい」と探求心を見せた。
|
|
|
|
|
|
|
<PR>