東京大学大学院総合文化研究科の開(ひらき)一夫教授らは、授業中の生徒と教師の脳活動を可視化することで学習に役立てるシステムの実証実験を今年度から三浦学苑高校で実施する。今月27日には、実験のデモンストレーションが公開された。
開教授らが着手するのは、教育とIT技術を組み合わせた「EdTech」と認知・脳科学を融合した学習支援技術の実証実験。YRP内の「横須賀市産学官交流センター」を研究拠点として進めていく。
生徒は授業中、額に鉢巻のような測定器を装着。記憶や思考を司る前頭前野の血流量などを計測し脳の活動を可視化する。一人ひとりの変化は、卓上のパソコン画面に映し出される。青色は平静状態を表し、赤色に近づくほど脳が活動していることを表す。教師はリアルタイムで、生徒がどのタイミングで脳を働かせているのかを把握。システムが実用化すれば、授業内容の見直しや生徒自身の効率的な学習へ結び付けることができる。最終的には、生徒の習熟度にあった教材の提供などに活用したい考えだ。
日本では初めての試み。実験は2022年までの4年間行われる予定で、英語と数学の授業で導入する。
「声掛けの材料に」
今月27日には、実際に装置を用いたデモンストレーションが公開された。授業を受ける特進コース1年の伊藤海斗さんは「最初はすごく不思議な感覚だったが、集中していると存在を忘れる。中学までは暗記学習が中心だったが、今は考えることを意識するようになった」と感想を述べた。授業を行った野櫻慎二教諭は「生徒に声を掛ける際の材料になる。教員間でもより良い活用を共有していきたい」と話した。
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